世界最大のアートフェア、アート・バーゼルは23日、新たな戦略となる「Art Basel Cities」を明らかにした。
アート・バーゼルは1970年にスイスのバーゼルでスタートしたアートフェアで、現在は同地のほかマイアミ・ビーチ、そして香港の3都市で展開。年に一度各都市で開催されるそれぞれの「アート・バーゼル」は世界中の主要ギャラリーが参加し、コレクターや美術関係者が一堂に会する機会として機能している。
今回発表された「Art Basel Cities」はこれまでバーゼルが培ってきたノウハウやネットワーク等を活かし、世界各国の都市に独自のプログラムを提供、グローバルなアートワールドへと接続する試み。パートナー都市での土台形成をサポートするだけでなく、アートフェア「アート・バーゼル」で都市ごとのプロジェクトを展開し、世界中から訪れるオーディエンスと都市を繋ぐという。
バーゼル側はカルチャーシーンがすでに成熟している都市だけでなく、新興の都市も対象とする意向を示しており、Business Initiatives部門のディレクター Patrick Foretのもと様々な分野で活躍するボードメンバーが運営にかかわる。ボードメンバーはDavid Adjaye, Füsun Eczacıbaşı, Richard Florida, JacquesHerzog, Sam Keller, William Lim, Simon Mordant AM, Lars Nittve, Anne Pasternak,Patrizia Sandretto Re Rebaudengo, Dennis Scholl, Uli Sigg and Michael Tayの各氏。
「Art Basel Cities」についてPatrick Foretは「私たちのノウハウとネットワークを新たなパートナー都市にもたらせることに、そして彼らがアートと文化へのコミットメントを拡大するため共に働けることにワクワクしている」とコメント。
文化的な側面だけでなく、経済面も期待されるとしており、マイアミ・ビーチでは5億ドルの経済効果が認められているという。バーゼルはマイアミ・ビーチ市長のコメントとして「14年前にバーゼルが始まって以来、ワールドクラスのプライベート美術館や公立美術館ができ、2つのアート地域が発展したことで、ギャラリーの数は6から130以上に増加した」とその効果を強調している。
なお24日からは4回目となる「アート・バーゼル香港」が一般公開。世界35カ国から239のギャラリーが参加し、延べ6万人の来場者が見込まれている。