昨年5月に日本初となる美術館個展が開催され大きな話題を呼んだサイ・トゥオンブリー(1928~2011)。そのトゥオンブリーが撮った写真に焦点を当てた展覧会「サイ・トゥオンブリーの写真-変奏のリリシズム-」がDIC川村記念美術館で4月23日より開催される。
サイ・トゥオンブリーは、ロスコやポロックら抽象表現主義と呼ばれる巨匠たちの次世代にあたり、子どもの落書きを思わせる独特の画風で20世紀美術史にその名を刻んだ画家。1960年代以降はニューヨークの主要画廊やヨーロッパの美術館で個展や大回顧展が開催されたが、その写真作品が発表されたのは1990年代に入ってからのこと。トゥオンブリーが写真制作を始めたきっかけは23歳の時に参加したブラック・マウンテン・カレッジの授業だった。ピンホールカメラに熱中したトゥオンブリーはその後も絵画を中心とした創作活動のかたわら、おもにポラロイドで撮影を継続した。
今展ではイタリアのニコラ・デル・ロッショ財団、ニコラ・デル・ロッショ・アーカイブの全面協力により、トゥオンブリーが1951年から2011年まで60年間にわたって撮影した写真作品のなかから100点を紹介。併せて、絵画3点、彫刻4点、ドローイング4点、版画18点を展示し、異なるメディアを往還したトゥオンブリーの作品に通底する眼差しを、写真を介して取り結ぶ。なお彫刻は日本初公開となる。
©Nicola Del Roscio Foundation, Courtesy Nicola Del Roscio Archives
【会期】2016年4月23日(土)~8月28日(日)
【会場】DIC川村記念美術館(千葉県佐倉市坂戸631)
【TEL】0120-498-130
【休館】月曜(ただし7月18日は開館)、7月19日(火)
【開館】9:30~17:00(入館は閉館30分前まで)
【料金】一般1,200円 学生・65歳以上1,000円 小中高600円
【関連リンク】DIC川村記念美術館