才能の発掘を目指し、受賞後の支援も重視する公募展「アートアワードネクスト」。今展は東京美術商協同組合の下部組織「東京美術青年会」が実行委員会を組織、運営している(委員長・小林將利)。
2010年に続く第2回展も、報道向け公開審査を経て各受賞作が決定した。大賞は太田侑子さんの「合掌人形」。幼い顔立ちの「人形」がレバ刺しのようなものに正座する姿。その「よくわからない」画面にこめられた説得力、おもしろさが評価された。
太田さんは受賞に際し、以下のコメントを寄せた。
「この度はこのような素晴らしい賞を頂きありがとうございます。私は自分で撮影した写真を使って絵を描いています。それをそのままキャンバスに写し、考え事をしながら色塗りをするように着色します。それを並べて、写真よりよりかっこ良くなっていたら満足です。今後も精一杯頑張りたいです」
審査員は秋元雄史・金沢21世紀美術館館長、野地耕一郎・練馬区立美術館主任学芸員などの各氏。
主な受賞は以下の通り。
大賞 : 太田侑子
準大賞 : 白鳥純司
審査員賞 : 秋山泉 麻生知子 Takiguchi 山本雄教
青年会賞 : 阪本トクロウ 宮崎雄樹
2回目ということか、コンクールの「傾向と対策」に偏らない、自由で多彩な作風が目立った。審査員のひとり山下裕二・明治学院大学教授は「いい意味での“ひとりよがり”を貫いてほしい」と作家たちの活躍を期待する。受賞・入選作は、9月19日(水)~23日(日)まで、東美アートフォーラム(東京美術倶楽部)で展示される。
「Art Award Next Ⅱ ―アートアワードネクストⅡ―」
【会期】 2012年9月19日(水)~23日(日)
【会場】 東京美術倶楽部(東京都港区新橋6-19-15)
☎03-3432-0191
【休館】 無休 【料金】 無料
【関連リンク】 東京美術倶楽部公式ホームページ
「新美術新聞」2012年9月1日号(第1289号)3面より