4月14日以降、頻発している地震(熊本地震)により、熊本市内の文化財および文化施設に影響が出ている。
文化庁によると熊本城では国の特別史跡「熊本城跡」の石垣の崩壊など14件の被害が発生。また重要文化財・阿蘇神社でも楼門が全壊するなど6件の文化財被害が明らかになっている。
また熊本城にほど近い熊本県立美術館(熊本市中央区)では本館内部に若干のひずみが生じたほか、ロビーに設置された彫刻2体が転倒した。またコレクション展で展示されていた陶芸オブジェが転倒破損、収蔵庫の中でも作品が転倒したという。開催中の「開館40周年記念展 大熊本県立美術館展」で展示されていた国宝や重要文化財は14日に発生したいわゆる「前震」の際に避難させており無事だった。なお同館は美術品文化財等の保全保護と施設設備等の安全確認のため、当面の間休館となっており、「場合によっては展示を組み替えて展覧会を再開する可能性もある」と話している。
一方、熊本市現代美術館(同)では可動壁のずれや作品の落下があったものの、現時点では重大な損傷は認められないという。しかし空調設備が稼働しない状態であり、展覧会の再開については今後検討を重ねるとのことで、同館も当面の間休館となっている。
なお今回の震災に関して、世界的建築家・坂茂氏は今回の地震に関して東日本大震災でも使用実績がある「避難所用間仕切りシステム」の提供を開始すると発表。また日本財団も19日、熊本地震緊急支援策として熊本城再建のために30億円の支援を行うことを明らかにしている。