東京藝術大学大学美術館にて5月、東日本大震災で被害を受けたミュージアム施設における文化資源、美術資料の救出、修復、復元作業などの経過を報告する企画展「いま、被災地から-岩手・宮城・福島の美術と震災復興-」が開催される。
2011年に起こった東日本大震災では、陸前高田市立博物館、石巻文化センターなど多数のミュージアム施設が被災。貴重な文化財をはじめとして多くの文化資源、美術資料が損傷したが、震災直後から資金援助や寄付など支援の手が差し伸べられ、復興活動が続けられてきた。
美術資料に関しては、全国美術館会議が東日本大震災復興対策委員会を立ち上げ、岩手県、宮城県、福島県の県立美術館などと連携しながら作品の救出、修復、復元などの事業が今日に至るまで継続的に実施されている。
今展は、被災状況、救出活動などを撮影した臨場感あふれる写真と、修復された一部作品の展示を通じてそれらの経過を報告するもので、あわせて東北地方ゆかりの近現代作家の作品も展示。文化財保護を考える一方で、東北地方の豊かな美術文化の土壌を体感できる貴重な機会となる。
【会期】2016年5月17日(火)~6月26日(日)
【会場】東京藝術大学大学美術館(東京都台東区上野公園12-8)
【TEL】03-5777-8600(ハローダイヤル)
【休館】月曜
【料金】一般800円 高校・大学生500円 中学生以下、障害者手帳持参者および介護者1名無料
【関連リンク】東京藝術大学大学美術館