現代美術家として国際的に活躍する森万里子の作品《Ring: One with Nature(リング・自然とひとつに)》が、ブラジル・リオデジャネイロで開催される、第31回オリンピック競技大会、第15回パラリンピック競技大会(以下、リオオリンピック・パラリンピック)の公式文化プログラムに認定されることが決定し、5月24日に駐日ブラジル大使館で森万里子による作品説明会が開催された。
説明会では、冒頭にアンドレ・コヘーア・ド・ラーゴ 駐日ブラジル大使からの挨拶が行われ、森万里子とブラジルの関係について、 2002年のサンパウロ・ビエンナーレへの出展や、 2011年にブラジルの3都市で開催した個展のリオデジャネイロの展覧会来場者数が、 538,328名でその年の世界ランキング1位になるという大成功をおさめたこと、大使自身も過去に展覧会を観て熱烈なファンになったというエピソードを話したほか、自然を崇敬する今回の作品は、ブラジルの豊な自然と融和しリオ五輪を象徴するアートワークになるだろうというメッセージを送った。
《Ring: One with Nature(リング・自然とひとつに)》は、ニューヨークの公益財団Faou Foundationが手掛けるプロジェクトで、 “自然と人間の融和”をコンセプトとして6つの大陸に設置されるサイトスペシフィックアートワークシリーズのなかのひとつ。ブラジル、リオデジャネイロ州マンガラチバ、ムリキにある 「the Véu da Noiva (花嫁のベール)」と呼ばれる、約58mの高さの滝の上に恒久展示される。
森万里子は、 「オリンピックの五輪のマークは、すべての国家、すべての民族を象徴し、世界平和を願うシンボルです。今回の作品《Ring: One with Nature(リング・自然とひとつに)》は、象徴的な意味として、また、その存在として、人類と自然の調和のシンボルとなり、オリンピックの五輪にもうひとつの新しい輪を付け加えます。この作品「リング」は「Oneness」つまり自然とひとつになる和、そしてEternity(永遠性)とCompletenes(完全さ)を象徴しています」とコメント。同作は、太陽が昇り時間が経過していくのに伴い照らされる角度が変わることで、ブルーからゴールドへと異なる輝きを見せる。また同作はブラジルのINEA州立環境研究所に寄贈されるという。
8月5日に開幕をむかえるオリンピックに先駆け、 8月2日にはリオデジャネイロに恒久展示となる作品の完成披露を予定しているほか、 8月4日または5日には、森万里子の聖火リレー参加が決定。大使から聖火リレーに参加する森万里子に対して、「森さんが聖火ランナーに選ばれとても嬉しい。聖火ランがうまくいくことを応援していますし、今回このような作品を作っていただいたことに感謝している」とエールが送られた。