美術評論家連盟が「美術と表現の自由」シンポを開催 都現美に質問状も送付

2016年05月30日 11:37 カテゴリ:最新のニュース

 

国際美術評論家連盟日本支部(会長:峯村敏明)は7月24日(日)に2016年度シンポジウム「美術と表現の自由」を東京都美術館講堂で開催すると発表した。

 

会田家《檄》

会田家《檄》

同シンポは近年、ろくでなし子氏の逮捕とそれに続く裁判や、愛知県美術館「これからの写真」展(2014年)で展示された鷹野隆大氏の作品に対する愛知県警察からの撤去指導、東京都現代美術館「おとなもこどもも考える ここはだれの場所?」(2015年)における会田家《檄》に対する館側からの作品撤去または改変要請をはじめ、表現の自由が問われるケースが立て続けに起きたことを受けて企画されたもの。

 

また同連盟は5月25日、会長名義で上述の会田家問題に関し、東京都現代美術館に質問状を送付。現時点でアーティスト側(会田誠、岡田裕子)からの情報のみが発信されている状況に対し、もう一方の当事者である美術館側に公式な経緯説明を求めている。

 

同連盟事務局によるとシンポジウムの企画と質問状の送付はこれまで同時進行で検討されてきたとのことで、昨年12月に行われた総会では「ろくでなし子」「鷹野隆大」「会田家」の3つのトピックが課題として共有され、シンポジウムに合わせて質問状を送付するという流れになったという。連盟は東京都現代美術館に対し6月末日までの回答を求めており、結果をシンポジウムで公表するとしている。

 

なおシンポジウムでは前半に林道郎(上智大学国際教養学部教授)、土屋誠一(沖縄県立芸術大学美術工芸学部准教授)、中村史子(愛知県美術館学芸員)、小勝禮子(元栃木県立美術館学芸課長)、光田由里(美術評論家)の5名が各15分で事例を発表。後半に同5名によるパネルディスカッションが行われ、モデレーターは清水敏男(美術評論家)が務める。

 

【日時】2016年7月24日(日) 13:00~17:00(12:30開場)

【会場】東京都美術館 講堂(東京都台東区上野公園8-36)

【料金】無料

【定員】210名(当日先着順)

【関連リンク】国際美術評論家連盟日本支部

 

 


関連記事

その他の記事