モノクロームの世界を掘る―八島正明が東京で14年ぶりの個展を開催

2016年06月06日 09:24 カテゴリ:最新のニュース

 

針で掘り起こす私景の現在(いま)

 

 

1961年から2001年まで美術文化展に出品し、75年には第18回安井賞を受賞、各地の美術館に作品が所蔵されるなど、そのモノクロームの世界が高く評価されている八島正明(1936年三重県生まれ)が東京では14年ぶりの個展を開催する。

 

広島で原爆の熱線によって刻まれた石段の影を見たことや、幼くして妹を亡くした経験などにより、「影」への関心を高め制作に取り組んできた八島。その作品はキャンバスに白い油絵具で地塗りを施し、その上に黒い油絵具を重ねたものが土台となっている。木綿針で画面を引っ掻き、白くしたい部分を削ると、独自のモノクロームの静寂な世界が出現する。

 

これまでは「私的な記憶を掘り起こしながら身近な人の影や痕跡などを描いてきた」という八島だが、近年では目に見えない放射線の恐怖など平穏な日常が長く続くものではないという不安を描きはじめている。

 

今展では大小合わせて約30点を出品し、八島の現在形を見せる。

 

 

【会期】2016年6月13日(月)~18日(土)

【会場】銀座井上画廊(東京都中央区銀座3-5-6 井上商会ビル3階)

【TEL】03-3562-1911

【休廊】無休

【開廊】11:00~19:00(初日は13:00より、最終日は18:00まで)

【料金】無料

 

 


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