「日々変容するカッティングの連続」
ニューヨークを拠点にアメリカ国内外で作品を発表しているアーティスト・安部典子が、東京では5年ぶりとなる新作個展「日々変容するカッティングの連続」をMAHO KUBOTA GALLERYで開催する。
安部は1967年埼玉県生まれ、90年に武蔵野美術大学油絵学科卒業。2004年よりニューヨークにスタジオを構え、アメリカをホームグラウンドに作品制作に取り組みながら、国内外の美術館やギャラリーの展覧会を通して作品を発表し続けている。真っ白な紙を一枚一枚カットし、何百枚、ときには千枚単位で重ねていくことで作り上げる彫刻と、本や新聞といった既存のメディアにカッターの刃を入れ、独特の解釈を交えながら表現していく彫刻で知られ、その作品がニューヨーク近代美術館やホイットニー美術館に作品が収蔵されるなど国際的な評価を得ている。
「日々変容するカッティングの連続」と題された今展ではニューヨークのアトリエで数ヶ月に渡って制作にあたった12点ほどの新作彫刻が展示される予定。シグネチャーである白い紙のレリーフ状の作品やキューブ状の立体作品に加えて、本のシリーズでは百科事典のページを彷徨ううちに見つけた言葉の森の中での偶発的な驚きを表現し、メープルソープの写真集を扱った作品では表現者が身体をメディアとする際に時に向き合うこととなる規制の壁を、そして中東の砂漠地帯を空撮したファザル・シークの作品集では非イスラム世界がイスラム世界との間に現在抱えている緊張感を、アーティスト独自の視点と知覚を羅針盤としながら、それぞれ目を見張るような想像力を内包する造形へと変容させていく。
【会期】2016年6月24日(金)~7月30日(土)
【会場】MAHO KUBOTA GALLERY(東京都渋谷区神宮前2-4-7 1F)
【TEL】03-6434-7716
【休廊】日・月曜・祝日
【開廊】12:00~19:00
【料金】無料
【関連リンク】MAHO KUBOTA GALLERY