犬のジェイクや『地雷ではなく花をください』の絵本作家・葉祥明、信州での初個展を開催

2016年06月29日 15:04 カテゴリ:最新のニュース

 

 

長野県の佐久市立近代美術館にて、日本を代表する絵本作家・葉祥明(1946年熊本県生まれ)の信州では初となる個展が開催される。

 

葉はデビュー以来44年、犬のジェイクシリーズや『地雷ではなく花をください』など数多くの絵本を発表してきた。1990年にイタリア・ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞を受賞。その後神奈川県鎌倉市に北鎌倉葉祥明美術館を、故郷の熊本県阿蘇郡に葉祥明阿蘇高原絵本美術館を開館している。

 

葉が絵本を創作するきっかけとなったのは、雑誌で見た谷内こうたの作品だったという。一人で絵も話もつくる絵本の一方、葉は世界と人生について思索し続けて、それを詩や言葉として日々書き留めている。そうして生まれるのは、さりげない呟きのようなポエム。生き方について問う普遍的な言葉の数々は、教育現場においても使われている。また絵本作家として広く知られる葉だが、その根底にあるのは「絵描き」としての想い。今展では油彩やデッサンの展示を通し、「絵画芸術としての側面も見てほしい」と語る。

 

今展では「自分を投影したキャラクター」であるジェイクなどの絵本原画をはじめ、油彩、デッサン、直筆詩といった163点を展示。熊本地震に思いを寄せ、新作の阿蘇の風景画も紹介する。会期中にはギャラリートークやサイン会など様々なイベントの開催が予定されている。

 

一見メルヘンチックな葉の作品には、平和への願いや「いのち」への畏敬の念が込められていることも多い。例えばその絵画における、大自然に人や動物がぽつんと佇む構図。「地震からも分かるように、大自然から見れば生きものはちっぽけな存在です。でもその生きとし生けるものたちの、小さなドラマが愛おしい」。作品に込められたあたたかな想いが、佐久の地にじんわりと響き渡ることだろう。

 

 

 

 

葉祥明 アート展 ~絵本と絵画と言葉の世界~

【会期】2016年7月9日(土)~8月28日(日)

【会場】佐久市立近代美術館 油井一二記念館(長野県佐久市猿久保35-5)

【TEL】0267-67-1055

【休館】無休

【開館】午前9時30分~午後5時

【料金】一般600円 高校・大学生400円 中学生以下無料

 

関連イベント

■作家によるギャラリートーク&サイン会
【日時】7月9日(土) 午前10時30分~
【参加費】無料(要観覧券) ※サイン会参加希望者は要整理券(当日午前9時30分からグッズ購入者に配布)
【定員】なし(状況により入場制限をする場合あり)

■葉祥明 講演会&サイン会
【日時】8月6日(土) 午後2時~
【会場】同館 視聴覚室
【参加費】無料
【定員】50名
【参加方法】事前申込制(抽選)

■佐久市立近代美術館友の会共催 ”葉祥明さんと絵を見て語る会”&サイン会
【日時】8月7日(日) 午前10時30分~
【参加費】無料(要観覧券) ※サイン会参加希望者は要整理券(当日午前9時30分からグッズ購入者に配布)
【定員】なし(状況により入場制限をする場合あり)

■夏休み工作教室 つみきでおうちをつくろう!
【日時】8月11日(木・祝) 午前9時30分~午後12時30分 / 午後1時30分~午後4時30分
【講師】じゅんや(建築系アーティスト)
【参加費】500円(材料費1セットにつき)
【対象】小学生以上(小学生は保護者同伴)
【定員】各回15組
【参加方法】事前申込(先着順)

■ミュージアムコンサート ~心が豊かになる音楽への招待~
【日時】7月30日(土) 午前11時00分~/午後2時00分~ (各回約40分)
【演奏者】リコーダー・ガーデン(安井敬・早崎靖典・安井マリ・松浦孝成)
【参加費】無料(要観覧券)
【定員】なし(状況により入場制限をする場合あり)

 

【関連リンク】佐久市立近代美術館 油井一二記念館

 


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