7月8日、東京・代官山に新たなギャラリー「LOKO GALLERY」がオープンする。吹き抜け2フロアのユニークな展示空間や、レジデンスプログラム、カフェの併設など、その多様な展開に期待が集まる同ギャラリー。開廊記念は、2014年のヨコハマトリエンナーレでも注目された和田昌宏の新作展。こけら落としに和田を選んだ理由、そして今後の展開とは。(取材・文/岩本知弓)
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ギャラリー名の”LOKO”は、エスペラント語で”場所”という意味。アートファンも、普段はあまりギャラリーに足を運ぶことのない人も、ゆったりとアートを楽しめるような場所を目指し、新進作家たちの飛躍の場、そして美術を介したコミュニケーションの場を育むことをギャラリーのコンセプトとしている。
ビルは新築3階建て。1、2階部分が吹き抜けの展示空間となっており、企画によっては地下1階でも展示が行われる。3階にはレジデンスプログラム用の部屋を用意。なお7月9日から23日まで白金の山本現代にて、レジデンスアーティストのチョウ イー・ティンとクリシュナプリヤ・ターマクリシュナの成果展が開催される。
1階には、オープンテラスを備えたカフェ「私立珈琲小学校」を併設。「ギャラリーと一体となったカフェ」を目指しており、展示内容によっては、ギャラリー内で珈琲を楽しめるようにすることも検討中だという。
展示の第1弾となるのは、一見カオティックな要素を組み合わせ、独自の物語世界をうみだす和田昌宏の新作展。こけら落としに和田を選んだのは、「自分の予想を超えていくようなものを見たい」というオーナー・遠藤和夫氏の想いを提示するため。和田への依頼の際は、既成の概念を崩すような展示を、という意味で「ギャラリーを壊す勢いでやってほしい」と声をかけたのだという。
今展では「燃えながら転がっていく球体」「個室ビデオ」「マクロな宇宙的視点から観たミクロな個」などのキーワードを出発点とした、映像やインスタレーションなどが展示される。展覧会タイトルの「Rμv-1/2gμvR=(8πG/c^4)Tμv」という数式は、アインシュタインの一般相対性理論における「重力場の方程式」を指す。また地下1階には、和田の活動拠点である「国立奥多摩美術館(MOAO)」のメンバー数名が参加した展示を予定。和田の作家像をより多角的に浮かび上がらせる。
次回展として、8月11日から9月3日までは、画家・近藤恵介と小説家・古川日出男による2人展が開催予定。近藤は同ギャラリーを下見した際、その広々とした吹き抜け空間から展示のアイデアを得たのだという。すべて企画展とし、その後も様々なジャンルの作家が登場。展示のみならずイベントなど、フレキシブルな活動を予定している。
和田昌宏 個展「Rμv-1/2gμvR=(8πG/c^4)Tμv」
【会期】2016年7月8日(金)~8月6日(土)
【会場】LOKO GALLERY(東京都渋谷区鶯谷町12-6)
【TEL】03-6455-1376
【休廊】日・月曜、祝日
【開場】11:00~19:00
【料金】無料
【関連イベント】
■オープニングレセプション
日時:7月8日(金) 18:00~
■アーティストトーク
日時:7月23日(土) 17:00~
【関連リンク】
LOKO GALLERY
和田昌宏公式HP