東京国立博物館と凸版印刷株式会社は6月22日より、VR作品『熊本城』を東京国立博物館内TNM&TOPPAN ミュージアムシアターで熊本城の復興支援として特別上演する。会期は7月10日(日)まで。
VR作品『熊本城』は、五重・三重の櫓が立ち並び威容を誇っていた江戸時代の熊本城を題材に、城郭建築および熊本城研究の専門家による学術監修のもと、凸版印刷が2011年に制作。同年3月より、熊本城内の観光交流施設「桜の馬場 城彩苑」内の「湧々座」で一般公開が行われていた。(※現在は休館中)
同作の制作には、平面形状と柱割が把握できる重要な史料「御城内御絵図」と立面意匠が表現された「御城図」などの古図面が参照されたほか、宇土櫓や天守閣、本丸御殿などの建造物や石垣を詳細にデジタル撮影した約40,000枚におよぶ画像が活用されている。
今回の特別上演は熊本市の賛同のもと、熊本地震によって甚大な被害をうけた熊本城の文化財的価値を再確認するとともに、美しく勇壮な本来の姿への一日も早い復興を願い、企画された。会場では同作を専属ナビゲータがライブ上演するほか、鑑賞者から熊本への応援メッセージも募集する。なお鑑賞料は全額、熊本城の修復再建の目的で熊本県熊本市が開設した「熊本城災害復旧支援金」へ寄付される。
大西一史熊本市長のメッセージ
平成28年4月14日及び16日に発生しました熊本地震により、熊本市そして県内各地は壊滅的な被害を受けました。熊本市の象徴である熊本城も絶望的なまでに破壊され、その姿に大変胸を痛めております。しかし、悔しいですが再建に向け前に進みます。
この熊本城バーチャルリアリティ作品は、専門家の監修を受けながら、江戸時代の熊本城の姿を精緻に再現した作品です。その五重・三重の櫓が立ち並ぶ威容誇る熊本城の姿は、熊本市がこれまで進めてきた熊本城復元整備計画が目指してきた本来の熊本城の姿と重なります。
熊本城の復旧には長い年月がかかることが予想されます。しかし、熊本市民の誇りでもあり、文化財としても大変価値の高いこの熊本城が本来の姿を取り戻す日が一刻も早く訪れるよう頑張ってまいります。
皆様には長い目で応援を賜りますようお願い申し上げます。
(プレスリリースより)
【上演日】2016年6月22日(水)~26日(日)、29日(水)、30日(木)、7月2日(土)、3日(日)、6日(水)~10日(日)
【開演時間】17:00~、18:00~、19:00~(1日3回上演) ※所要時間は約20分、各回定員は90名
【会場】東京国立博物館 東洋館地下1階「TNM & TOPPAN ミュージアムシアター」
【料金】500円(開演時間までにチケットを購入のこと、当日券のみ)
【関連リンク】東京国立博物館