倉吉市および倉吉博物館が主催する「第9回 菅楯彦大賞」の受賞作品が発表され、大賞に熊澤未来子氏の《世界食紀行》が選ばれた。
同賞は、日本画家・菅楯彦(1878~1968)の研究活動を行う倉吉博物館が、浪速風俗画をライフワークとした菅を顕彰することを目的に創設した美術賞。現代における「暮らしの情景」をテーマにした日本画作品を表彰している。
熊澤氏は1983年愛知県生まれ。2008年武蔵野美術大学大学院美術専攻日本画コースを修了し、現在ミヅマアートギャラリー所属。2014~15年には東京・上野の森美術館で開催された「進撃の巨人展」に参加するなど、多方面で注目を集めている。同賞では前回、前々回と鉛筆画で佳作賞を受賞。今回は世界の名所やさまざまな食べ物を寄せ集めた「キッチュであり、パンチのある」作風と、色彩を用い新しい展開をめざそうとする意欲が高く評価された。そのほかの受賞者は佳作賞一席・百花堂賞に能島浜江氏、佳作賞二席に村山春菜氏、佳作賞三席に山浦めぐみ氏、佳作賞四席に青鹿未奈氏。
審査員を務めたのは菊屋吉生、草薙奈津子、瀧悌三、土屋禮一、中野嘉之の各氏。審査委員が指定した推薦委員による指名応募とし、前回佳作賞受賞者をシードとする。年齢は不問。今回は推薦作家34名の34作品の中から受賞作品計5点が決定した。
大賞展は8月16日~21日まで京都府京都文化博物館、9月10日~10月10日まで鳥取県の倉吉博物館にて開催される。
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