10月1日より、現代を代表するイギリスの美術家 デイヴィッド・ホックニーの展覧会が都内2ヵ所で開催される。
ホックニーは1937年ブラッドフォード生まれ。62年に「ポップ・アートの旗手」と評され華々しくデビューを飾った後、50年以上に渡り新たなスタイルの絵画を生み出し続けている。2017年2月には80歳を記念した大回顧展がテート・ブリテン(ロンドン)で予定されている。
町田市立国際版画美術館で開催される「デイヴィッド・ホックニー版画展」は、東京都現代美術館の所蔵品を中心とした約150点を通し、その版画の魅力に迫る展覧会。ホックニーの創造領域は絵画のみならず写真、舞台美術など幅広いが、とりわけ版画は10代より継続的に制作した重要なジャンル。そこには何げない部屋の中の様子、家族や友人たちの肖像、旅先の風景など、人生における一コマ一コマが巧みに表現されている。自伝的要素を含んだ物語やピカソへのオマージュなども制作し、さらには伝統的な版画技法をも逸脱してファクシミリ、カラーコピー、コンピューターまで用いた斬新な手法にも取り組んだ。なお同展は2017年、いわき市立美術館にも巡回する。
一方、日本橋の西村画廊では、iPadドローイングによる「ザ・ヨセミテ・スイート」展を開催。同画廊でのホックニーの個展は14年振り26回目となる。同シリーズは2010~11年にヨセミテ国立公園(カリフォルニア)を舞台に制作されたもので、iPadのタッチスクリーンをキャンバスに、アプリ“Brushes”を使用して描かれている。鮮やかな色彩の多層的な重なりから成るドローイングの数々は、雄大な山々に抱かれた清澄な自然の息づかいや、深く豊かな森の密度、光の繊細な移ろい、観光客の雑踏などを感じさせる。今展ではアルミ複合板にマウントされた4枚のシートから成る大作1点と、94×71㎝の1枚のシートに出力された24点の、計25点のiPadドローイングを初公開する。
【展覧会】デイヴィッド・ホックニー版画展
【会期】2016年10月1日(土)~11月23日(水・祝)
【会場】町田市立国際版画美術館(東京都町田市原町田4-28-1)
【TEL】042-726-2771
【休館】月曜、10月11日(火) ※10月10日(月・祝)は開館
【開館】火~金曜 10:00~17:00(入場は16:30まで)、土・日曜・祝日 10:00~17:30(入場は17:00まで)
【料金】一般800円 大・高校生400円 65歳以上400円 中学生以下無料 ※10月1日(展覧会初日)と11月3日(文化の日)は入場無料
【巡回】いわき市立美術館 2017年6月10日(土)~7月17日(月・祝)
【関連リンク】町田市立国際版画美術館
【展覧会】デイヴィッド・ホックニー「ザ・ヨセミテ・スイート」
【会期】2016年10月1日(土)~11月12日(土)
【会場】西村画廊(東京都中央区日本橋2-10-8 日本橋日光ビル9F)
【TEL】03-5203-2800
【休廊】日・月曜、祝日
【開廊】10:30~18:30 pm
【料金】無料
【関連リンク】西村画廊