《漆胡瓶》が18年ぶりに出陳―「第68回正倉院展」開催

2016年10月17日 13:09 カテゴリ:最新のニュース

 

 

秋の風物詩となった「正倉院展」が今年も開催される。68回を数える今回は計64件(北倉10件、中倉29件、南倉22件、聖語蔵3件)の宝物が出陳され、奈良時代の貨幣である和同開珎など9件が初公開になる。

 

例年どおり、宮内庁正倉院事務所による最新の調査結果を反映した展示内容となるが、今年は正倉院正倉の整備事業完了を受け、宝庫や宝物の来歴を伝える品々が並ぶのが特徴だ。

 

聖武天皇ゆかりの品としては、シルクロードの東西交流を物語る名品として知られる水差し《漆胡瓶》や、花鳥を愛でた当時の宮廷生活が伺える《鳥木石夾纈屏風》(第1扇、第2扇)、宝庫北倉の宝物の出入を記録した《出入帳》などが並ぶ。また、聖武天皇の一周忌斎会の場を華やかに飾った大幡が、その脚、脚先の飾り、芯として用いられた裂とともに出陳されるのも注目だ。全長15mに及んだと言われるその大きさと鮮麗な美しさが確認できる。

 

そのほか、仏・菩薩に捧げる献物を載せた台《粉地金銀絵八角長几》、二彩技法で加飾された大型の皿《磁皿》、象嵌装飾の墨壷《銀平脱龍船墨斗》など、いにしえの人々の文化や暮らしを伝える逸品が揃う。

 

今年は混雑を緩和するため、金・土・日曜および祝日は閉館を1時間遅らせ20時まで延長する(入館は閉館30分前まで)。貴重な宝物たちとの出会いをゆっくり楽しみたい。

 

 

 

 

【会期】2016年10月22日(土)~11月7日(月)
【会場】奈良国立博物館 東新館・西新館(奈良市登大路町50)
【TEL】050-5542-8600(ハローダイヤル)
【休館】無休
【開館】9:00~18:00、金・土・日曜、祝日は~20:00(入館は閉館の30分前まで)
【料金】一般1,100円 高校・大学生700円 小・中学生400円

 

【関連イベント】

■公開講座①「正倉院宝物の平脱・平文」
講師:木村法光(元宮内庁正倉院事務所保存課長)
日時:10月22日(土) 13:30~15:00

■公開講座②「正倉院に納められた銭貨をめぐって」
講師:細川晋太郎(宮内庁正倉院事務所保存調査室研究員)
日時:10月29日(土) 13:30~15:00

■公開講座③「正倉院の壮厳具―大幡に寄せて―」
講師:清水健(奈良国立博物館工芸考古室長)
日時:11月5日(土) 13:30~15:00

※奈良国立博物館講堂(先着194名)にて、いずれも無料(ただし入場整理券の受け取り時「第68回 正倉院展」の観覧券、もしくはその半券、国立博物館パスポート等を提示)

 

■正倉院学術シンポジウム2016「正倉院正倉」
日時:11月3日(木・祝) 13:00~17:30
会場:東大寺総合文化センター 金鐘ホール
申込:事前申込制

 

【関連リンク】第68回正倉院展

 


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