ネーミングライツ(施設命名権)を導入した京都市美術館の新名称が、「京都市京セラ美術館」に決定した。
同館は8月12日よりパートナー企業を募集しており、京セラ株式会社(代表取締役社長 山口悟郎、以下 京セラ)1社が応募。10月5日に開かれた京都市ネーミングライツ審査委員会で、提案された名称から応募企業の経営の安定性まで総合的に判断された後、決定した。京セラが支払う総額は50億円(税別)で、2017年、18年、19年度の分割納付となる。期間は50年。審査委員は、やなぎみわ(京都造形大学芸術大学教授)や山﨑隆夫(日展京都会会長)ら6名が務めた。
京セラの選定理由は、京都で創業された日本を代表するグローバル企業であり、経営の安定性はもとより、長年にわたり様々な社会貢献を重ねてきたため。文化芸術に関しても、本社ビル内ではパブロ・ピカソの「銅版画347シリーズ」などを無料で公開する「京セラ美術館」を運営。さらに稲盛財団主催の「京都賞」にグループを挙げて取り組み、毎年、先端技術部門、基礎科学部門、思想・芸術部門の各部門で国際的に顕彰している。京セラは「創業地である京都の文化への貢献と地域の発展に寄与したい」とし、今後はグローバル企業の強みを活かし、WEBサイトの活用などを通し同館の情報発信の強化に取り組むという。
京セラは同館の総称のほか、本館、本館中庭、大展示室、新館、日本庭園など8施設の命名権も希望しており、それらについては審査委員会が改めて審議する。
1933年に開館した京都市美術館は、今年12月から大規模改修し、2019年度にリニューアルオープン。今回のネーミングライツは、約100億円の改修工事費の半額を賄う目的で導入された。
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