Chim↑Pomら6組の作品を通し「フクシマ美術」について考える展覧会が、12月25日まで京都・KUNST ARZT(クンスト・アルツト)で開催されている。
キュレーションを務めたのは、作家としても活動する同ギャラリーのオーナー・岡本光博。東日本大震災後、カタカナ表記の「フクシマ」という言葉は「ヒロシマ」や「ナガサキ」と同様に”負”の意味を背負おうとしているが、そこに「”負”と決めつけさせない何か」があると信じるために、今展を企画したのだという。
展覧会の大きな原動力となったのは、Chim↑Pomが震災直後に取り組んだ怪作《気合い100連発》。相馬市で出会った若者たちと円陣を組み声を上げるという映像作品で、東京国立近代美術館にも所蔵されている。今作をはじめ、津波によって深い地層に閉じ込められていた種が開花した”水葵”を象徴的に用いる吉田重信、我々が”呼吸する”大地の上に生活することを地質学者らの協力を得て突きつける井上明彦、主婦/コレクターという視点から”雑巾”に怒りや願いを込めた田中恒子、エルフリーデ・イェリネクの3.11以降の世界に捧げるレクイエムである《光のない。》を暗誦しながら彷徨い続けるやなせあんり、そして企画者・岡本光博の作品を紹介。震災を出発点としたアートの可能性を探る。
12月24日夕方には出品作家のやなせあんりが、12月25日13:00~18:00には井上明彦が在廊予定。
【展覧会】岡本光博 キュレーション「フクシマ美術」
【会期】2016年12月13日(火)~25日(日)
【会場】KUNST ARZT(京都市東山区三条神宮道北東角2階)
【TEL】090-9697-3786
【休廊】月曜
【開廊】12:00~18:00
【料金】無料
【関連リンク】KUNST ARZT