2017年春、「ブリヂストン美術館の名品―石橋財団コレクション展」がオランジュリー美術館で開催されることが発表された。同館は、クロード・モネの「睡蓮」などで知られ、世界有数の人気を誇るフランス・パリの美術館。ブリヂストン美術館が19年秋まで建替えに伴う休館中であるため、オランジュリー美術館からの発案で実現した。海外のひとつのコレクションのみで構成される展覧会は、ほぼ初となる。
主催は仏国立公益法人オルセー美術館とオランジュリー美術館、そして公益財団法人石橋財団。会期は17年4月5日から8月21日。監修は、オランジュリー美術館のセシル・ジラルドー学芸員と、ブリヂストン美術館の新畑泰秀・学芸課長、賀川恭子・学芸員があたる。
石橋寬・ブリヂストン美術館館長は、12年に共同で企画した「ドビュッシー、音楽と美術」展をあげ、「両館は、これまでもとても良い関係を築いてきた」と記者会見で挨拶。「当財団所有のセザンヌ《サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール》などの名品を、フランスの方々に見ていただく絶好の機会」と期待を語った。また来日したセシル・ジラルドー氏は「美術作品と収集家のつながり」が展示のひとつの軸と説明。「ジャポニスム」はフランスでもよく知られるが、「日本に対する西洋絵画の影響は、あまり知られていない」と指摘し、その関係性にも光をあてるという。
出品は76点を予定。石橋正二郎・ブリヂストン創業者が、青木繁「海の幸」など日本の洋画から西洋美術へコレクションを広げていったその足跡も紹介される。
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※掲載作品はすべて、オランジュリー美術館にて展示予定