5つの部屋を巡り「感覚を開く」展覧会が横浜で開催―小野耕石、齋藤陽道ら出品

2016年12月12日 13:16 カテゴリ:最新のニュース

 

 

12月19日より、神奈川県民ホールギャラリーで「5Rooms - 感覚を開く5つの個展」が開催される。

 

今展は同ギャラリーの5室1300㎡の広く個性的な展示室を生かし、気鋭の5名の作家を個展形式で紹介するもの。参加作家は、紙のように薄くのばした真っ白な磁器を組み立て、繊細な造形を生み出す出和絵理(1983年石川県生まれ)。「あそび」をテーマに、漆という素材の性質を多角的に捉えた作品を発表する染谷 聡(1983年東京都生まれ)。生命のうつろいや森羅万象の不思議に眼差しを向け、2014年にはワタリウム美術館で個展を開催した写真家・齋藤陽道(1983年東京都生まれ)。細かく描かれたドットをシルクスクリーンで100回ほどもインクを刷り重ねるという手法で、「VOCA展2015」にてVOCA賞を受賞した小野耕石(1979年岡山県生まれ)。そして不要になったビニール袋や廃油から作った石けんなどを使って、各地で印象的なインスタレーションを展開する丸山純子(1976年山梨県生まれ)。それぞれ新作を中心に紹介し、丸山は700㎡の最大の展示室に「死を思う」をテーマとした壮大なインスタレーションを制作する。

 

私たちは日々、頭で多くの物事を判断し行動しているが、「頭」はあらゆる事をコントロールしたがる性質があり、ともすれば自分の「心」で感じたことにさえ干渉しようとする。今展では「頭」でつくられたテーマではなく、「心に響くか」という直観によって選ばれた作家達の作品群が見られる。磁器、漆、写真、シルクスクリーン、インスタレーションと、用いる素材も技法もそれぞれ異なるが、真摯に制作に取り組み、私たちが生きている「今」に向かってメッセージを投げかけている。

 

アートとは一体何なのだろうか。それは絵画や彫刻や工芸といった形式によるものではなく、また美しさや新しさという価値だけではない、”重層的な”捉え方ができる一つの体験であるといえる。私たちが生きている「今この瞬間」に意識をむけ、本来もつ感覚を研ぎ澄ませてこの体験を味わいたい。会期中には作家によるトークや、「視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップ」などのイベントも開催。

 

 

 

 

 

【展覧会】5Rooms - 感覚を開く5つの個展

【会期】2016年12月19日(月)~2017年1月21日(土)

【会場】神奈川県民ホールギャラリー(横浜市中区山下町3-1)

【TEL】045-662-5901

【休館】2016年12月30日(金)~2017年1月4日(水)

【開館】10:00~18:00(入場は閉館の30分前まで)

【料金】一般700円 学生・65歳以上500円 高校生以下無料

 

■アーティストトーク ※予約不要

技法のガラパゴス的進化 表現の形
登壇:出和絵理、小野耕石
日時:2016年12月24日(土) 14:00~

 

インスタレーション – 思いが形になる時
登壇:丸山純子
日時:2017年1月7日(土) 14:00~

 

「在る」ことへのアプローチ
登壇:染谷 聡、齋藤陽道(筆談)
日時:2017年1月15日(日) 14:00~

 

■視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップ ※要予約
目の見えない人と見える人が一緒に、見えていることや感じていることを言葉にして伝え合いながら鑑賞する。約2時間30分で5つの展示室を巡る。

 

日時:2017年1月9日(月・祝)・14日(土) 各日10:00~12:30
申込み受付期間:2016年12月1日(木)~ 12月25日(日) ※抽選あり、12/27(火)頃結果通知
定員:各回15人
参加費:無料(要展覧会チケット)
対象:中学生以上(障害の有無に関わらずどなたでも)
申込み方法:①氏名、②年齢、③連絡先(携帯電話など)、④障害の有無と種別、⑤参加の動機(期待している事など)、⑥参加希望日 を記載の上、下記メールアドレスまで。電話、展覧会会場でも受付可。
視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップ kansho.ws@gmail.com
電話 045-633-3795(神奈川県民ホール事業課ギャラリー担当/平日10:00-18:00)

 

【関連リンク】神奈川県民ホールギャラリー

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