「自然」「人間」「自然と人間」というテーマから、平面作品を公募する「公募-日本の絵画-」(主催・永井画廊)。2012年より隔年で行われ、山﨑鈴子、中村紘子ら実力派の作家を輩出してきたコンクールが、第3回展の各賞を発表した。
応募総数371点、応募者数257名から、大賞には佐藤真美氏「mountain」(岩絵具、墨、木炭)が決定。審査員のひとりである永井画廊・永井龍之介氏は、「細かい形にとらわれていて、まだ山の写しに留まっています」と指摘しつつ、「もっと大胆に破たんを恐れずに作画に没入し続ければ、いずれ理想郷が表れてくる」「大自然に学び、鉄斎、等伯、雪舟、そして宋、元に倣い、スケールの大きな水墨画を目標に、一層の精進を期待します」とコメントを寄せる。
優秀賞には大橋裕一氏「地獄の花」(油彩)と、村松泰弘氏の「渓流に佇む」(水彩)が決定した。豊かな寓意性をはらむ大橋氏は、「“東洋のボッシュ”としてこれからも展開が楽しみ」と永井氏は注目。数多い写実絵画のなかで最も評価されたという村松氏は、「自然と人間の共存をテーマに、永遠に続く自然界の息吹きが生き生きと表現されています」と清新な作風が評価された。
審査員は、佐々木豊(画家)、千住博(画家)、布施英利(美術評論家)、永井龍之介(永井画廊)、そして特別審査員に石坂浩二(俳優)、吉井篤志(吉井画廊)の全6氏。過去2回に比べて応募者は減少したが、出品作全体のレベルが高まり、可能性を感じさせる大賞、安定感、堅実さの優秀賞2名が審査員の全会一致で選出された。
受賞・入選作による展覧会は、来年1月20日より、横浜のヨコハマグランドインターコンチネンタルホテルにて開催される。
公募-日本の絵画-2016
【会期】2017年1月20日(金)~2月3日(金)
【会場】ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル1階エントランスホール(横浜市西区みなとみらい 1-1-1 )
【TEL】045-223-2222
【休館】1月29日(日)のみ展示休み
【料金】無料
【関連リンク】 永井画廊 ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル
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