アジア最大のアートフェア「アートバーゼル香港2017」が、3月23日~25日に香港コンベンション&エキシビションセンター(HKCEC)で開催される。
第5回目を迎える今年は、世界34カ国・地域より242軒のギャラリーが参加。今年は新たに29軒のギャラリーが加わり、アジアからはA+ Contemporary、Bank、C-Space、Hive Center for Contemporary Art、イムラアートギャラリー、Jhaveri Contemporary、Kwai Fung Hin Art Gallery、Mind Set Art Center、サードギャラリーアヤ、そしてThe Third Lineの10軒が初参加となる。
特に注目の企画は、アートバーゼル マイアミビーチで好評を博し、今回初めて香港で展開される「キャビネット(Kabinett)部門」。個展からテーマ性を持ったグループ展、さらに美術史を題材としたコレクションまで、幅広いキュレーションが展開されるプロジェクトだ。今回は19の展示が企画され、日本からはNANZUKAが田名網敬一の1970年代初期アニメーション作品や、コラージュ、ドローイング等を紹介。また、東京画廊+BTAPはSHIMURAbros作品を出品。実寸大のグーグルストリートビューを使用した「TRACE」シリーズや、ロンドンのアビーロードの一部を再現した 170cm 大の新作「TRACE-ROAD – ABBEY ROAD」を展示する。さらにProject Fulfill Art Spaceは、毛利悠子が昨年制作した「Urban Mining」と「From A」を紹介する。
今年1月にはグローバルディレクターのマーク・シュピーグラーとディレクター・アジアのアデリン・ウーイが来日し、プレス関係者向けの説明会に参加。昨年7万人を超える過去最大の入場者数を記録したことについて、アデリンは「様々な要因が考えられるが、香港市民にもアートバーゼルが受け入れられていることが大きい」と述べた。2019年にはM+ミュージアムが開館を予定しているが、2人によると「香港に世界各国の美術館関係者がこれまで以上に訪れるようになり、バーゼルにも相乗効果が生まれるだろう」とのこと。またアデリンは、日本の出展ブースについて「若手ギャラリーの無人島プロダクションやURANOから、歴史ある洋画商・日動画廊まで、多様性のあるラインナップが魅力。キャビネット部門の田名網敬一作品(NANZUKA)や、初参加のイムラアートギャラリーなどにも期待しています」と語った。
そのほかアジアのギャラリーにより展開される「インサイト(Insights)部門」や、新進作家の個展や2人展を展開する「ディスカバリー(Discoveries)部門」など見どころは多数。年々盛り上がりを増すアジア最大のアートフェアを、ぜひ体感してほしい。
(取材:岩本知弓)
《3/23 今年の会場風景追加↓》
【展覧会】アートバーゼル香港2017
【会期】2017年3月23日(木)~25日(土)
【会場】香港コンベンション&エキシビションセンター(HKCEC)
【関連リンク】アートバーゼル香港