1970年代の日本文化を象徴する「パロディ」に焦点を当てた展覧会が、2月18日より東京ステーションギャラリーで開催される。
70年代に入ってからにわかに週刊誌、グラフ誌、マンガ誌などで使用され始めた「パロディ」という言葉は、瞬く間に日常語として市民権を得た。街頭やテレビにパロディ広告があふれ、赤瀬川原平の『櫻画報』(1970-71)が『朝日ジャーナル』をジャックし、筒井康隆が『日本以外全部沈没』(1973)を発表。創刊当初からパロディ・マガジンを意識した『ビックリハウス』(1974-85)は若者の圧倒的な支持を集め、「パロディ裁判」とも呼ばれた、マッド・アマノによるフォトモンタージュを発端とする訴訟は、1971年から足かけ16年も争われた。
今展では、モダンとポストモダンの隙間に開花したこのパロディという技術または形式について、あらためて検討。風刺や模倣とは何が同じで、何が異なるのか、といった問題について考える。今日のデジタル環境におけるオリジナル/コピーをめぐる議論のヒントも得られることだろう。
出品作家は赤瀬川原平や横尾忠則といった時代を彩ったアーティストから、知られざる作家まで。絵画、マンガ、グラフィックを中心に、貴重なテレビ映像や裁判記録を含む約300点が並ぶ。
会期中には南伸坊、夏目房之介、会田誠らによるトークイベントも開催。また、3月1日~15日の「学生無料ウィーク」では、学生ならば無料で入館が可能となる。
【展覧会】パロディ、二重の声 ――日本の一九七〇年代前後左右
【会期】2017年2月18日(土)~4月16日(日)
【会場】東京ステーションギャラリー(東京都千代田区丸の内 1-9-1)
【TEL】03-3212-2485
【休館】月曜、3月21日(火) ※3月20日(月・祝)は開館
【開館】10:00~18:00(金曜は20:00まで、入館はそれぞれ閉館30分前まで)
【料金】一般900円 高校・大学生700円 中学生以下無料 ※3月1日~15日は学生無料
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