奈良美智がセレクト!童画家・茂田井武の新たな魅力に迫る展覧会が開催

2017年02月20日 13:19 カテゴリ:最新のニュース

 

左:茂田井武 画帳「続・白い十字架」より 1931-35年  右:茂田井武 画帳「Parisの破片」より 1930年頃-35年頃

 

奈良美智の視点から童画家・茂田井武(もたいたけし、1908~56)の魅力を開く展覧会が、長野・安曇野ちひろ美術館で3月1日より開催される。

 

戦後の混乱期の中、おびただしい数の童画を手がけながらも、日本の絵本の隆盛期を待たずに早逝した茂田井。子どものころの記憶や、欧州の旅での印象、夢のなかの光景などをまるで印画紙に焼き付けるように描き、多くの画家たちに影響を与えてきた。茂田井が亡くなった3年後に生まれた奈良もそのひとり。今展に際し「茂田井武の美意識は生活のなかに息づき、それゆえ逆説的に崇高だ。彼の絵のなかには西洋も東洋もなく、ただ純粋な魂だけがある。」とコメントを寄せている。

 

今展では奈良が今も「新しい」と感じる茂田井の作品をセレクト。「人に見せるための絵よりも、自分との対話のなかで生まれる絵にひかれる」という奈良は、パリ放浪のなかで描いた画帳「続・白い十字架」や絵本『セロひきのゴーシュ』をはじめ、夢から生まれた絵物語や戦時中の日記など、折々の茂田井の内面が色濃く表れた作品を選んでいる。昨年東京国立近代美術館で開催された「奈良美智がえらぶMOMATコレクション 近代風景~人と景色、そのまにまに~」も好評であったが、今回も奈良の視点を通し、作品の新たな魅力が見えてくるだろう。

 

茂田井武《白くまとお人形》1947年

 

同時開催されるのは「高畑勲がつくるちひろ展 ようこそ!ちひろの絵のなかへ」。同展ではスタジオジブリのアニメーション映画監督・高畑勲が選んだいわさきちひろの絵を、高精細に拡大して再現するなどし、エンターテインメントの手法で絵の世界を体感することができる。絵本『おにたのぼうし』や、高畑の監督作品『火垂るの墓』の作画に影響を与えた『戦火のなかの子どもたち』などを紹介。ちひろの絵に、高畑映画の原点をみることができるだろう。

 

左:いわさきちひろ《麦わら帽子をかぶったおにた》『おにたのぼうし』(ポプラ社)より 1969年  右:いわさきちひろ《窓ガラスに絵をかく少女》『あめのひのおるすばん』(至光社)より 1968年

 

いわさきちひろ《焼け跡の姉弟》『戦火のなかの子どもたち』(岩崎書店)より 1973年

 

 

【展覧会】「奈良美智がつくる茂田井武展 夢の旅人」「高畑勲がつくるちひろ展 ようこそ!ちひろの絵のなかへ」

【会期】2017年3月1日(水)~5月9日(火)

【会場】安曇野ちひろ美術館(長野県北安曇郡松川村西原3358―24)

【TEL】0261―62―0772

【休館】3月22日(水)、4月12日(水)・26日(水)

【開館】9:00~17:00

【料金】一般800円 高校生以下無料

 

《チケットプレゼント》

同展の招待券を5組10名様にプレゼントいたします。メールのタイトルに「茂田井武チケットプレゼント」とご記入の上、①郵便番号・住所 ②氏名 ③年齢 ④職業 ⑤当サイトへのご意見 ⑥今後当サイトで取り上げてほしいコンテンツ を以下のメールアドレスまでお送りください。

present@art-news.co.jp

締切:3月7日(火)必着

 

【関連リンク】安曇野ちひろ美術館

 

 


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