江戸時代前半、琳派を大成した尾形光琳と同時期に活躍した画僧・明誉古磵(めいよ こかん/1653~1717)。その没後300年にあたり、画業を紹介する初めての展覧会が、奈良県の大和文華館で開催されている。
浄土宗僧侶の古磵は、京都や奈良で精力的な絵画制作を行い、当時は有名な画僧として『古画備考』や『和漢名画苑』に掲載されてきた。しかし現在その研究や紹介は十分になされておらず、古磵の名を知る人は決して多くはない。画風は幅広く、本格的な仏画をはじめ、俳画風の水墨画、さらには仏教説話版本の挿図も現存している。特に大黒天の水墨画は、その親しみやすさや愛らしさで、当時から大きな人気を集めた。
今展では、古磵作品を最も多く所蔵する法相宗大本山薬師寺の協力のもと、主要作が初めて一堂に会する。縦4メートルを超える曼荼羅や、10メートル以上の長さの社寺縁起絵巻、連幅の祖師像など本格的な仏画の大作も見どころ。白隠や仙厓の作品も再び注目を集める今、知られざる画僧古磵の多彩な画技を楽しみたい。
【展覧会】特別展 没後300年 画僧古磵
【会期】前期:2017年5月20日(土)~6月11日(日) / 後期:2017年6月13日(火)~7月2日(日)
【会場】大和文華館(奈良県奈良市学園南1-11-6)
【TEL】0742-45-0544
【休館】月曜
【開館】10:00~17:00
【料金】一般930円 大・高校生720円 中学生以下無料
【関連リンク】大和文華館