平成29年度「改組 新 第4回日展」―展示スペース2千㎡減も 質のレベルアップ目指す
公益社団法人日展(奥田小由女理事長)は、3月24日に理事会を開催し、新会員22名、新準会員30名、新会友81名の新人事を発表した。新会員には近年活躍し、注目される若手作家が日・洋・彫・工・書の各科に比較的多く含まれている。
平成29年度は「改組 新 第4回日展」、会期は11月3日から12月10日まで、会場は東京・六本木の国立新美術館。授賞は、内閣総理大臣賞が日本画、洋画、文部科学大臣賞が彫刻、工芸美術、書。大臣賞に次ぐ賞として東京都知事賞がある(ともに申請後、正式決定)。日展会員賞は各科1名、特選は入選作品から各科10名に授与される。東京会場終了後、京都、大阪、大分、金沢を巡回予定。
2017(平成29)年は、国主導の文部省美術展覧会(文展)から110年の記念の年だ。昨年にも増して様々な講演会やシンポジウムを奥田理事長はじめ理事、事務局が検討中という。外部審査員の導入など一連の改革は厳しい過程だったが、文部科学省・文化庁はこの間の奥田執行部の誠実な運営姿勢、行動力を大きく評価している。若手作家の育成の面ではかなり成果を挙げていると言えよう。
ただ、今年度は展示面積が1万2千㎡から2千㎡減の1万㎡となり、昨年までの彫刻スペースが無くなる。このため日・洋・彫・工・書の5科が協力し、譲り合って会場を設定しなければならない。1階は日本画と工芸、2階が洋画と彫刻、3階が書の配置となる模様だ。入選率がやや狭まる科もあるかも知れないが、全体的な展覧会のレベルアップこそが何よりも重要だ。多彩な企画と会場構成の新たな工夫・魅せ方でこの節目の年に『新生日展』の活性化を図りたいとする。
(以下、敬称略。【日】=日本画、【洋】=洋画、【彫】=彫刻、【工】=工芸美術、【書】=書)
〔新会員〕(22名)
【日】岩田壮平 鍵谷節子 片山侑胤 佐藤朱希 丸山 勉
【洋】青島紀三雄 土井原崇浩
【彫】緒方信行 島田見根夫 田中厚好 寺山三佳 間島博徳 吉居寛子
【工】安藤 工 上原利丸 小林祥晃 曽根洋司 高岡由美子 谷野吉冬
【書】植松龍祥 岡野楠亭 木村通子
〔新準会員〕(30名)
【日】久米伴香 佐藤俊介 林 秀樹 福田浩之 安田敦夫
【洋】岡本猛 児玉健二 阪脇郁子 橋本一貫 松野 行 山田郁子 吉引邦子
【彫】伊庭照美 上田ふみ 小西徳泉 白石隆幸 鈴木徹男 前田真里 宮坂慎司
【彫】森矢真人
【工】髙名秀人光 竹森公男 友定聖雄
【書】石澤桐雨 岩田海道 岩村節廬 尾西正成 関根玉振 吉澤劉石 吉見靖子
〔新会友〕(81名)
【日】天野澄子 石田翔太 上田とも子 佐伯千尋 城野奈英子 髙木基惠 髙橋フクエ
【日】西﨑節子 松永美紀子 山田まほ 吉川咲江
【洋】秋山 光 石川吉郎 宇賀治徹男 植村隆久 大木基彰 大澤弘叔 河内八重子
【洋】才村 啓 高橋二美男 菱田直美 平野孝子 福本弥生 細谷敬子 前川ひろこ
【洋】松本貴子 山下英夫 山田喜代子 山本博男 湯淺廸哉 横山哲則 渡邊眞喜代
【彫】岡本和弘 加山総子 林淳一郎 東 耕平 松井みどり
【工】井上 康 加藤伴子 川口知子 北村和義 後藤柳克 下坂邦和 鈴木良一
【工】田嶋秀之 鶴見晋史 登坂和嗣 橋本英子 広澤麗子 二村純生 古川七三人
【工】村山恵子 森田高正
【書】荒居凌雲 岩切天掃 海野寿山 尾上 慶 岡崎茜葉 奥江晴紀 梶山盛濤
【書】片岡秋華 金子栁水 鎌野望山 河内君平 喜多芳邑 小林千早 後藤啓太
【書】佐川峰章 斎藤硯月 清水澄江 茂原松華 鈴木大有 月木萬里 佃 昇龍
【書】角田大壤 豊原睦子 中川素香 西 墨濤 守屋知昴 森瀬櫻徑 渡部梅祥
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