現代美術作家・杉本博司が構想・設計し、10年の建設期間を経て10月9日に開館する複合文化施設「小田原文化財団 江之浦測候所」。その入館予約受付が、7月20日よりスタートする。
同施設が設立されるのは、美しい景観を保持する小田原市片浦地区の江之浦。小田原は、杉本が子供の頃「最初の記憶」ともいえる海景を見た地で、後の代表作《海景》シリーズが生まれるきっかけとなった場所でもある。杉本は「測候所」という名称について、「古代人が天空を測候し、自身の場を確認した作業は、アートの起源でもあった。その起源に立ち戻ってみることで、未来へと通ずる糸口が開けるのでは」と語っている。
開発面積は3000坪。敷地内はギャラリー棟、野外の舞台、茶室、庭園などで構成され、それぞれに平安、室町、大正といった各時代の伝統的な建築様式が用いられる。長さ100メートルのギャラリー棟では、開館記念展として《海景》シリーズの展示を予定。また、野外の石舞台、光学硝子舞台では、さまざまな公演プログラムを開催していく。
入館は日時指定の完全予約・入替制。申し込みは小田原文化財団HP内の予約フォームまで。
【施設名】小田原文化財団 江之浦測候所(神奈川県小田原市江之浦362-1)
【TEL】0465-42-9170(平日10時~16時)
【休館】水曜
【見学時間】4月~10月: 1日3回/10時・13時・16時(約2時間・定員制)
11月~3月: 1日2回/11時・14時(約2時間・定員制)
【料金】一律3000円(税別) ※中学生未満入場不可
【関連リンク】小田原文化財団