9月、「日産アートアワード2017」と「Asian Art Award 2017 supported by Warehouse TERRADA」の2つのアートアワードが開幕し、ともにグランプリが9月27日(水)に発表される。
「日産アートアワード」は日本の現代アートの発信力を高めることを目的に、日産自動車株式会社が隔年で開催。2013年よりスタートし、前回の2015年はグランプリに毛利悠子が選ばれた。今回ファイナリストに選出されているのは題府基之(1985年東京都生まれ)、藤井 光(1976年東京都生まれ)、石川竜一(1984年沖縄県生まれ)、田村友一郎(1977年富山県生まれ)、横山奈美(1986年岐阜県生まれ)の5氏。9月16日(土)から11月5日(日)に横浜・BankART Studio NYKで開催される展覧会で、それぞれが新作を出品する。
審査を務める国際委員会は、南條史生(森美術館館長)、ジャン・ド・ロワジー(パレ・ド・トーキョー館長)、キム・ソンジョン(アートソンジェセンターディレクター)、ジェシカ・モーガン(DIA美術財団館長)、ローレンス・リンダー(カリフォルニア大学バークレー美術館、パシフィック・フィルム・アーカイブ館長兼チーフキュレーター)の5氏で構成。グランプリは会期中の9月27日(水)に発表され、受賞者には賞金300万円と、3ヶ月間のニューヨーク滞在の機会が与えられる。
一方の「Asian Art Award」は、今回が初開催。アートフェア東京を手掛ける一般社団法人 アート東京が主催、寺田倉庫が特別協賛し、日本のアーティストのアジア進出、さらに世界進出の支援を目的に設立された。小澤慶介(Asian Art Award ディレクター/アートト 代表)、国枝かつら(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館 学芸員)、正路佐知子(福岡市美術館 学芸員)、服部浩之(インディペンデント・キュレーター)、山峰潤也(水戸芸術館現代美術センター 学芸員)の30~40代の若手キュレーター5名が「ファイナリスト選考委員」となり、同時性・芸術表現の拡張性・身体性という3つのキーワードを通してファイナリストを選出。その結果、谷口暁彦(1983年埼玉県生まれ)、松川朋奈(1987年愛知県生まれ)、山本高之(1974年愛知県生まれ)、山城知佳子(1976年沖縄生まれ)、contact Gonzo(2006年大阪府にて結成)の5組が選出された。
審査員は秋元雄史(東京藝術大学大学美術館 館長・教授)、長谷川祐子(東京都現代美術館 参事)、林 洋子(文化庁 芸術文化調査官)、Joyce Toh(シンガポール美術館 キュラトリアルチーム 共同代表)、You Yang(ユーレンス現代美術センター 副館長)、高橋龍太郎(精神科医/アート・コレクター)、宮津大輔(アート・コレクター/京都造形芸術大学 客員教授)の7氏が務め、さらに特別審査員として建築家の隈研吾が参加。コレクターや文化庁関係者が審査に携わっていることが特徴的だ。展覧会は9月23日(土)~10月29日(日)にTERRADA ART COMPLEXで開催され、大賞と特別賞は「日産アートアワード」と同じく9月27日(水)に発表予定。大賞受賞者には賞金100万円と、シンガポールと東京での受賞作展示及び制作活動場所(6ヶ月~1年間)が提供される。
同じく現代アートを対象としながら、審査員の顔ぶれ等、それぞれに異なる特色を持つ「日産アートアワード」と「Asian Art Award」。その違いを意識しつつ、同日に発表されるグランプリの行方に注目したい。
【展覧会】日産アートアワード2017
【会期】2017年9月16日(土)~11月5日(日)
【会場】BankART Studio NYK(横浜市中区海岸通3-9)
【TEL】045-663-2812
【休館】第2・第4木曜 ※9月27日(水)はイベント開催のため一般入場不可
【開館】10:00~19:00
【料金】無料
【展覧会】Asian Art Award 2017 supported by Warehouse TERRADA
【会期】2017年9月23日(土)~10月29日(日)
【会場】TERRADA ART COMPLEX 4F(東京都品川区東品川 1-33-10)
【TEL】045-663-2812
【休館】月曜
【開館】火-木曜・日曜 11:00~18:00、金・土曜 12:00~20:00 ※9月27日(水)は13:00~19:30
【料金】無料