「明日の日本画を求めて」をテーマに3年に一度開催される全国公募展「トリエンナーレ豊橋 星野眞吾賞展」(主催 豊橋市・豊橋市美術博物館)。その第7回の受賞者が決定し、大賞である星野眞吾賞は財田翔悟(たからだ・しょうご)の《かさねがさね》に贈られた。
財田氏は1986年生まれの現在31歳、東北芸術工科大学日本画コース副手。ギャラリー広田美術での個展を中心に、「山形ビエンナーレ2016」や2016・17年の「アートフェア東京」への参加など、近年精力的な活動をみせる。今年の「FACE2017 損保ジャパン日本興亜美術賞」など、入選も多数。今回の受賞作は、エアブラシによる写実的彩色法や古典的漆技法を用いながら、見る者と見つめられる者の「静かな視線のドラマ」を捉えたことが高く評価された。副賞は200万円。
そのほか準大賞は、古典的な山水画法をベースに現代のセンスを取り込み、ユニークな世界観を展開した中澤美和(34歳)が受賞。優秀賞は、3枚の透き通る布地を重ね、静寂な湖面の風景に精神的な深みを与えた吉賀あさみ(44歳、「吉」は土のしたに口)に贈られた。ともに副賞は50万円。
同展は「パンリアル美術協会」を結成し日本画の革新運動を展開した星野眞吾(1923~1997)が、後進の支援と育成を願って豊橋市へ私財を寄附したことを機に誕生。今回は全206点の応募があり、平均年齢は39.8歳だった。審査員長は吉田俊英(名古屋ボストン美術館特別顧問)が、そのほかの審査員は菊屋吉生(山口大学教授)、野地耕一郎(泉屋博古館分館長)、佐藤道信(東京藝術大学教授)、三頭谷鷹史(美術評論家)の4氏が務めた。入賞・入選作は8月11日(祝・金)から9月10日㈰まで愛知・豊橋市美術博物館で展示される。
【展覧会】第7回トリエンナーレ豊橋 星野眞吾賞展 ―明日の日本画を求めて―
【会期】2017年8月11日(金・祝)~9月10日(日)
【会場】豊橋市美術博物館(愛知県豊橋市今橋町3-1)
【TEL】0532―51―2882
【休館】月曜
【開館】9:00~17:00 ※ただし9/2(土)、3(日)、8(金)、9(土)、10(日)は19:00まで
【料金】無料
【関連リンク】 豊橋市美術博物館