彫刻家の登竜門として海外にも知られ、最先端の作品がそろう国内最大級のコンクールとして注目される「UBEビエンナーレ(現代日本彫刻展)」。第27回(山口県宇部市、同ビエンナーレ運営委委員会、毎日新聞社主催)には29カ国から277点の応募があった。入選作18点が選考委員会(酒井忠康委員長)で決まり、その中から大賞(宇部市賞、賞金500万円)にキム・キョンミン氏(1971年生まれ、多摩美術大学大学院修了)の《リメンバー宇部》が選ばれた。女性の大賞受賞は1971年の多田美波氏以来2人目。
韓国・釜山市出身のキム氏は2002年に来日、以来一貫してステンレスで制作している。受賞作のコンセプトは水の音と空間。選考委員会では「宇部のエネルギーを見事に造形化した」(水沢勉・神奈川県立近代美術館館長)と評価された。選考委員は酒井忠康(委員長、美術評論家・世田谷美術館館長)、澄川喜一(彫刻家・島根県立石見美術館館長)、水沢 勉(美術評論家・神奈川県立近代美術館館長)、河口龍夫(現代美術家・金沢美術工芸大学教授)、斎藤郁夫(山口県立美術館副館長)、藤原徹平(建築家・横浜国立大学大学院Y-GSA准教授)、日沼禎子(女子美術大学准教授)、不動美里(姫路市立美術館副館長)、岸 桂子(毎日新聞社大阪本社学芸部副部長)、久保田后子(緑と花と彫刻の博物館館長)。
他の入賞作は以下の通り(敬称略)。
宇部興産株式会社賞(賞金400万円)=伊藤嘉英《森の掟》
毎日新聞社賞(賞金150万円)=ハンス・ショール《Construction Kit Animal》
宇部マテリアルズ賞(賞金100万円)=藤島明範《北極星との交信Ⅴ》
山口銀行賞(賞金100万円)=佐藤慈男《重力飛翔-はるか かなた》
宇部商工会議所賞(賞金50万円)=北川太郎《時空ピラミッド》
島根県吉賀町賞(賞金20万円)=石上和弘《アフターアップル》
山口県立美術館賞 (賞金20万円)=ナカイデタケヒコ《風の灯台》
島根県立石見美術館賞(賞金20万円)=増野智紀《遊》
下関市立美術館賞(賞金20万円)=神山豊《Megaptera》
【展覧会】第27回UBEビエンナーレ(現代日本彫刻展)
【会期】2017年10月1日(日)~11月26日(日)
【会場】ときわミュージアム UBEビエンナーレ彫刻の丘(山口県宇部市野中3-4-29)
【TEL】0836-37-2888
【休館】火曜
【開館】9:00~17:00 (入館は閉館30分前まで)
【料金】無料
【関連リンク】緑と花と彫刻の美術館 ときわミュージアム