刀剣をテーマとした展覧会は近年増えてきているが、今度は刀ではなく「刀装具」にスポットを当てた展覧会が11月3日より東京・青山の根津美術館で開催される。
刀剣外装のための金具は、江戸時代以降に装飾性が増し、金属とは思えないほどのきらびやかで細密な作品が残された。明治時代の実業家・光村利藻(みつむら・としも/1877~1955)はそんな刀装具を中心に一大コレクションを築き、名著『鏨廼花』を刊行。断絶の危機にあった装剣金工の技術継承にも心を配り、多くの作り手を護ったことでも知られている。
現在根津美術館には利藻のコレクション約1,200件が伝わっている。今展では館蔵の光村コレクションを中心に、約130件の刀装具と、刀剣や絵画資料を紹介。雪村の水墨画「呂洞賓図」をなんと金属で再現した意欲作や、華やかな刀身彫刻も楽しめる。光村利藻が魅せられた金属美の世界を、この機会にぜひ覗いてみてほしい。会期中には講演会などのイベントも開催。
【展覧会】特別展 鏨の華 ―光村コレクションの刀装具―
【会期】2017年11月3日(金・祝)~12月17日(日)
【会場】根津美術館 展示室1・2(東京都港区南青山6-5-1)
【TEL】03-3400-2536
【休館】月曜
【開館】10:00~17:00(入館は16:30まで)
【料金】一般1,300円 学生[高校生以上]800円 中学生以下無料
【関連リンク】根津美術館