アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門において優れた作品を顕彰するとともに、受賞作品の鑑賞機会を提供するメディア芸術の総合フェスティバル「文化庁メディア芸術祭」。第21回の受賞作品がこのたび発表され、アート部門大賞にHaythem ZAKARIA(ヘイサム・ザカリア)による映像インスタレーション《Interstices / Opus Ⅰ‐ Opus Ⅱ》が選ばれた。
今回は、過去最多となる世界98の国と地域から4,192点の作品が寄せられ、そのうちアート部門は1,968点だった。審査委員は阿部一直(キュレーター/アートプロデューサー)、石田尚志(画家/映像作家/多摩美術大学准教授)、中ザワヒデキ(美術家)、藤本由紀夫(アーティスト)、森山朋絵(東京都現代美術館学芸員)。
Haythem ZAKARIA(ヘイサム・ザカリア)は、1983年チュニジア生まれ、フランス在住。スーフィズム思想からの影響と、グリッチ、メタ・イメージ、シネ・プロセスといった先駆的な映像技術によって生み出される作品で知られる。《Interstices / Opus Ⅰ‐ Opus Ⅱ》は、砂漠の風景を捉えた静的な《Opus Ⅰ》と海の風景を捉えた動的な《Opus Ⅱ》にデジタル処理を施し、モノクロームの風景と図形、自然音の組み合わせからオリジナルの風景を超越した「メタ・ランドスケープ」を作り上げるプロジェクト。「メディアが感覚の拡張だけではなく、思考をも拡張させる重要な役割を持っていることを実証した」(藤本由紀夫)と評価された。大賞賞金は60万円。
優秀賞には、菅野創/やんツー《アバターズ》、畒見達夫/ダニエル・ビシグ《進化する恋人たちの社会における高速伝記》、折笠良《水準原点》、DAI Furen《Language Producing Factory》、新人賞に会田寅次郎《I’m In The Computer Memory!》、Gary SETZER《Panderer(Seventeen Seconds)》、YANO《The Dither is Naked》が選ばれている。
その他の部門の大賞作品は、【エンターテインメント部門】ゲーム『人喰いの大鷲トリコ』、【アニメーション部門】映画『この世界の片隅に』(片渕須直監督)、映画『夜明け告げるルーのうた』(湯浅政明監督)、【マンガ部門】池辺 葵『ねぇ、ママ』。受賞作品展は6月13日から24日まで東京・六本木の国立新美術館を中心に開催。シンポジウムやトークイベント、ワークショップ等の関連イベントも実施される。
【会期】2018年6月13日(水)~24日(日)
【会場】国立新美術館(東京都港区六本木7-22-2) 他
【料金】無料
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