清須市第9回はるひ絵画トリエンナーレ、大賞に田岡菜甫《遠吠え》

2018年04月03日 16:57 カテゴリ:最新のニュース

 

大賞 田岡菜甫《遠吠え》

大賞 田岡菜甫《遠吠え》

 

平面作家の登竜門として知られる全国公募「清須市第9回はるひ絵画トリエンナーレ」の大賞作品が、田岡菜甫の《遠吠え》に決定した。

 

田岡は1993年生まれ、武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程美術専攻油絵コース修了。2014年第11回グラフィック「1_WALL」展ファイナリスト選出、2015年「トーキョーワンダーウォール公募2015」入選など、在学中より精力的に活動する。受賞作《遠吠え》はまず最初にマジックで線が描かれており、従来の油絵とは異なるイラストレーション的な感覚や、赤や紫など鮮やかな色彩を使いこなす独自のセンスが評価された。作者は今作について「間違えた線もあえて消さずに残し、失敗した線に責任をもって描いた」のだと語る。鑑賞者がそれらの誤った線を一体どのように認識するのか、問いかけるような要素も含まれている。副賞は100万円。

 

そのほか準大賞は田中秀介(1986年和歌山県生まれ)の《言葉なく勝手に旺盛》と、堀 至以(1988年愛知県生まれ)の《glow》に決定。優秀賞は秋山萩彦、阿部 紅、羽尻敬人、岡本 秀、しまだそう の5氏が受賞した。なお実行委員会において入選作品20点の中から1点を選出する「きよす賞」には、干場月花の《青になるまで。》が選ばれた。

 

今回は新たに、批評の分野でも活躍する岡﨑乾二郎や加須屋明子、平成29年度の芸術選奨文部科学大臣賞を受賞した杉戸洋、そして80年代より多様な抽象表現を続ける吉澤美香の4名を審査員として迎え、清須市はるひ美術館館長の高北幸矢とともに審査が行われた。今回の応募総数は昨年の1021作品(506名)を超え、過去最高の1261点(637名)となった。

 

入賞・入選作による展覧会は、5月4日(金・祝)~7月1日(日)の間、愛知・清須市はるひ美術館で開催される。

 

準大賞 田中秀介《言葉なく勝手に旺盛》

準大賞 田中秀介《言葉なく勝手に旺盛》

 

準大賞 堀至以《glow》

準大賞 堀至以《glow》

 

左:優秀賞 秋山萩彦《Andenken.詩人の追想は黄金の春の夢想へと変り》、右:優秀賞 阿部 紅《ピアニー》

左:優秀賞 秋山萩彦《Andenken.詩人の追想は黄金の春の夢想へと変り》、右:優秀賞 阿部 紅《ピアニー》

 

左:優秀賞 羽尻敬人《樹草の呪術7》、右:優秀賞 岡本 秀《長安のお墓の絵の絵》

左:優秀賞 羽尻敬人《樹草の呪術7》、右:優秀賞 岡本 秀《長安のお墓の絵の絵》

 

左:優秀賞 しまだそう《VITA NOVA Ⅳ》、右:きよす賞 干場月花《青になるまで。》

左:優秀賞 しまだそう《VITA NOVA Ⅳ》、右:きよす賞 干場月花《青になるまで。》

 

【関連リンク】清須市はるひ美術館

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