東京・上野の上野の森美術館で「第7回 東山魁夷記念 日経日本画大賞展」が開幕した。
同展は、次代の美術界を担う新進気鋭の日本画家を表彰するものとして2002年に創設。全国の美術館学芸員、大学教授、研究者、評論家らの推薦と、選考委員による厳正な審査によって入選作家および大賞が決定される。これまでに内田あぐり、菅原健彦、奥村美佳、岡村桂三郎、鴻池朋子、岩田壮平が大賞を受賞。日本画の新たな可能性を感じさせる意欲作が並ぶ迫力のある展示も大きな見どころとなっている。
第7回の大賞に選ばれたのは、浅見貴子の《桜木影向図》。桜をモチーフに、紙の裏側から墨で描くという独自の技法による抽象傾向の画面で、大きく空間をとった構成の妙、完成度の高さが評価された。授賞式では「公募展も大学院もことごとく落ちてきたので、今回も大賞に選ばれるとは夢にも思わなかった。続けて来られたのは、周りの先輩や作家仲間、画廊の方々に応援していただけたから。今回の作品も多くの方々の関わりがあって生まれた作品です。有難うございました」と声を詰まらせながら挨拶した。5月20日(日)14:00より、浅見のトーク&サイン会が予定されている。
入選作家および出品作品は以下。
青木香保里《境界XI》《境界XII》
蒼野甘夏《伊邪那岐 鬼払図》《伊邪那美 月読図》
浅野友理子《女将の薬酒》
荒井 経《樹象 二》
泉 桐子《箱庭療法》
イトウマリ《欲望の根源『溢れ出す欲望の根源』》
及川聡子《曹洞宗長泉寺 大書院 襖絵『水焔図 玄』『水焔図 白』》
加藤良造《三境図》
金子富之《高龗》
木島孝文《A.R.#994 “Veronica” わらう獣、山羊と花》
佐藤真美《光の脈》
椎名 絢《宿・中庭》
田中 武《斉唱-神7の唄》
谷保玲奈《ウブスナ》
長澤耕平《ある都市の肖像》
中澤美和《環る景色》
伴戸 玲伊子《流水譚》
土方朋子《かへりゆく》
松平莉奈《菌菌先生》
森 美樹《声》
山本太郎《熊本ものがたりの屛風》
山本雄教《One coin people-15480円の人々-》
吉賀あさみ《黙》
【展覧会】第7回東山魁夷記念 日経日本画大賞展
【会期】2018年5月18日(金)~28日(月)
【会場】上野の森美術館(東京都台東区上野公園1-2)
【開館】10:00~17:00(入場は閉館30分前まで)
【料金】一般500円 大学生300円 高校生以下無料
【関連リンク】上野の森美術館