心・技、光る――松本の文化を支えた彫刻家・太田南海の生誕130年記念展が開催

2018年09月20日 19:08 カテゴリ:最新のニュース

 

《宿命》1934年 松本市美術館蔵

《宿命》1934年 松本市美術館蔵

 

太田南海(1922年頃)

太田南海(1922年頃)

人形師の長男として長野県松本市に生を受けた太田南海(おおた・なんかい/1888~1959)は17歳で木彫家・米原雲海に入門。当時は日本に西洋美術の波が押し寄せる近代彫刻幕開けの時代。独立し、拠点を故郷・松本に移してからも文展・帝展への出品を続けた。岡倉天心に日本画の手ほどきを受けるなかで磨かれた感性は、卓越した技術を背景に彫刻作品として結実することとなる。大作《宿命》は、3人の女性を「過去」「現在」「未来」に見立て、キリスト教的聖母像と仏教の観音像を融合したかのような独特な優美さと静けさを湛えている。

 

70歳で没するまで地元松本で活動を続けた南海。同志と信州美術会を設立するなど、地方の美術活動の振興に尽力した。本展ではその足跡をたどるべく、木彫作品を中心に、陶彫や日本画も含め約70点を展観する。

 

《雪ぞら》1936年 松本市美術館蔵

《雪ぞら》1936年 松本市美術館蔵

 

左:《鬼子母神》1950年 個人蔵  右:《弱法師》1949年 松本館蔵

左:《鬼子母神》1950年 個人蔵  右:《弱法師》1949年 松本館蔵

 

【展覧会】生誕130年記念 太田南海展

【会期】2018年9月15日(土)~11月25日(日)

【会場】松本市美術館(長野県松本市中央4―2―22)

【TEL】0263―39―7400

【休館】月曜、祝休日のとき翌日

【開館】9:00~17:00(入場は16:30まで)

【料金】大人1000円 大学高校生・70歳以上の松本市民600円 中学生以下無料

【関連リンク】 松本市美術館

 

■街なか探訪ツアー

①松本館コース

太田南海が建築監修した老舗割烹「松本館」(国登録有形文化財)を鑑賞するツアー

【開催】10月28日(日) 10:00~11:30

【集合】中町・蔵シック館前(松本市中央2-9-15)

②舞台コース

太田南海が手がけた祭りの舞台(山車)の見学と展覧会会場を鑑賞するツアー

【開催】11月3日(土) 10:30~11:45

【集合】深志神社境内(松本市深志3-7-43)

※①・②ともに定員各15名、料金無料(ただし本展観覧券が必要)、申込みは9月28日(金)から同館(TEL 0263-39-7400)へ

 

■ギャラリートーク

【開催】10月5日(金)・13日(土)・20日(土) 各日14:00~(45分程度)

【料金】 無料(ただし、当日有効の本展観覧券が必要)

【定員】 各日先着20名程度

【会場】 同館企画展示室前に集合、申込不要

 

■みんなで楽しく、トークフリーデー

【開催】11月23日(金・祝)、24日(土)、25日(日)

※11月23日(金・祝) 10:30~(45分程度)は、学芸員と一緒に会場を巡ることができる。先着20名、参加無料(要展覧会チケット)。

 

■ワークショップで彫刻に挑戦!
木を削って「手のりサイズのオブジェ」作り

【開催】10月21日(日) 10:30~16:30 ※昼休憩有、自由解散

【料金】 500円

【定員】 8名(中学生以上、初めての方歓迎)

【会場】 市民アトリエ・講座室、要事前申込

【持ち物】 筆記用具、エプロン(あれば彫刻刀セット、切出しナイフ)

【講師】 田路恭子(木工オブジェ作家)

 

■市内協力店舗半券利用サービス

太田南海展の半券提示で、市内26店舗でお得なサービスが受けられる。また、重要文化財旧開智学校校舎と、窪田空穂記念館は団体料金で鑑賞可能。

 


関連記事

その他の記事