第2回展は京都の大雅堂にて――「±複号の彫刻家たち展 vol.2」

2018年11月02日 14:49 カテゴリ:最新のニュース

 

 

今日における彫刻の新たなあり方を提案する「± 複号の彫刻家たち展」が、11月8日から18日まで、京都・祇園の大雅堂にて開催される。

 

昨年、東京・調布のみるめギャラリーにて好評を博した展示に続く第2回。本展企画者で国内外で精力的に発表を続ける彫刻家・松田重仁はそのタイトルについて、「複号=±」の文字は彫刻の行為そのものを示すと語る。「複号=±」の「+」は「足す、加える」行為であり、塑像に代表される足すことで生み出される表現。対して「-」は、素材を減らす、削り出す行為であり、素材から彫り出す創作を意味すると。そして同時に、今日においては素材や原料を知り、技術や技法に根差した手わざを持つだけでなく、西洋ファインアートの空間演出を自らのものとした「ふくごう」したアーティストが求められており、本展は、そうした新たな彫刻の可能性を示す展覧会であるのだと。

 

今回は、「彫刻」「工芸」という従来的なジャンル分けからこぼれがちな造形、日本独自のハイブリット種のアーティスト6名に焦点をあて紹介する。かわさきみなみ(フェルト/1989年千葉県生まれ)、北郷 江(陶/1989年千葉県生まれ)、黒沢理菜(漆/1992年茨城県生まれ)、下山直紀(木/1972年群馬県生まれ)、高崎洋祐(木/1987年大阪府生まれ)、松田重仁(木、真鍮/1959年山形県生まれ)――それぞれの素材を用い、伝統的な技法、熟練した手わざ、現代作家としての表現をあわせ持つ彼らの作品が提示する彫刻の可能性とは。ぜひ会場に足を運んで確かめてほしい。

 

今展は来春に開催が決定している現代彫刻美術館(東京都目黒区)へ続く展観となるであろう。松田をはじめとする作家たちの今後の展開にも注目していきたい。

 

かわさきみなみ《ナツの太陽》

 

北郷 江《よみきかせ》

 

〈左〉下山直紀《あらかじめ膳立てのできていた裏切りだという暗示》 〈右〉黒沢理菜《月子》

 

〈左〉高崎洋祐《セクシーアシュラ》 〈右〉松田重仁《浮遊する水・花》

 

【展覧会】±複号の彫刻家たち展 vol.2

企画:複号の彫刻家たち展実行委員会事務局 共催:大雅堂 協力:公益財団法人 和喣悠揚館

【会期】2018年11月8日(木)~11月18日(日)

【会場】大雅堂(京都市東山区祇園町北側301-2)

【TEL】075-541-7388

【営業時間】10:00~18:00

 

【関連リンク】複号の彫刻家たち展実行委員会事務局 WATERMARK arts&crafts 大雅堂 和喣悠揚館

 


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