ニューヨーク・チェルシーの中心にて 津江三千子が個展開催

2019年08月06日 15:38 カテゴリ:最新のニュース

 

《春の賛歌》

《春の賛歌》

 

一夜限りしか咲かない儚い花サガリバナを通して、人の一生や輪廻転生へ想いを馳せながらアニミスムの通底する命の循環を描き続ける画家・津江三千子(1949年鹿児島県生まれ)。その活躍はサロン・ドートンヌへの度重なる入選他、海外での受賞・発表など日本国内に留まらない。これまでもミニ個展というかたちでスペインなど海外において作品を数点発表したことはあったが、このたび、現代美術のギャラリーひしめくニューヨーク・チェルシーの中心に位置するジョージ・ビリス・ギャラリーにて海外初個展を開催する。

 

左《月と桜》 右《月に咲く》

(左)《月と桜》
(右)《月に咲く》

 

西表島に滞在し、星明りの中カヌーを漕いで取材するサガリバナは、闇のなかでもその儚くも力強い生命力を、チョコレートに似た甘い芳香でつたえてくるという。水にたゆたいフクロウの声と星影に包まれながらの取材は、研ぎ澄まされた画家の感性に森羅万象の命をリアルな手応えをもって惹起させたに違いない。

 

左《幻想蜻蛉》 右《赤いサンダルとしだれ桜》

(左)《幻想蜻蛉》
(右)《赤いサンダルとしだれ桜》

 

津江は創作を通じて宇宙に存在するあらゆる命に敬意を払い、自然を賛美する。何気ない日々のなかで耳を澄まし、目を凝らすことで見えてくる深淵な世界を岩絵の具のマットな質感で表現し、また、金銀箔の輝きに祈りや願いを込めて、独自の幻想性漂う日本画作品を数多く完成させてきた。特に郷里・奄美大島をはじめ、夏の沖縄各地で見られる幻の花・サガリバナを題材とした作品を数多く手がけ、一夜限りに咲いて散るその神秘的な存在を通じて人々に生の尊さや力強さ、美しさを伝え続けている。

 

今展において展示される大胆な構成で描き出された甘美な色彩世界はF30号を横に3つ繋げた大作含め全28点。「今までの画業の集大成となる今回の個展を経て、新たな出発になれば」と語る津江は、これからも観る者を現実と幻想の狭間へと誘い、夢のようなひとときを与え続けるに違いない。

 

《瀑布》

《瀑布》

 

【展覧会】「津江三千子ニューヨーク個展」MICHIKO TSUE Solo Exhibition

【会期/Date】 2019年8月20日(火)~24日(土)

【会場/Place】 ジョージ・ビリス・ギャラリー
GEORGE BILLIS GALLERY(521 West 26th Street 7th Floor, New York City 10001)

【休廊/Closed】 無休/No rest

【電話/Tel】 212-645-2621

【開館時間/Open】 11:00~18:00(最終日17:00閉廊/ Last day 11:00-17:00)

【料金/Fee】 無料/free

【問合/Contact】 info@japanpromotion.org

 


関連記事

その他の記事