「自画像」は、画家が自分自身の肖像を描いたもの。
伝統ある日本画にもともとそのジャンルはなく、「自分を描く」という明確な意図をもって描かれ始めるのは幕末以降になる。明治に入ると東京美術学校(現東京藝術大学)の誕生により西洋式の人体デッサンを学べるようになり、画家たちが己の内面を追求し表現する手段として自画像が描かれるようになっていった。
今展では、明治から昭和にかけて活躍した画家たち、岸田劉生や斎藤与里、佐伯祐三、北川民次、鴨居玲、木村忠太などの自画像約40点を展観。明治初期、明治中期・後期、大正・昭和と時代ごとのセクションに分け、画家と「自画像」の関係性が時代と共に変容していった軌跡を辿る。
また、特別展示として同館所蔵の中村彝《麦藁帽子の自画像》と高村光太郎《自画像》も紹介。
さまざまな「自画像」に向かい、画面に映るその人、その時代をしかと見つめたい。
【展覧会】自身への眼差し自画像展 Self-Portrait
【会期】2021年9月15日(水)~12月5日(日)
【会場】中村屋サロン美術館(東京都新宿区新宿3-26-13新宿中村屋ビル3階)
【TEL】03-5362-7508
【開場】10:30~18:00(最終入館は17:30まで)
【休館】火曜、祝日のとき翌日
【料金】300円
◇ギャラリートーク動画配信
同館学芸員・太田美喜子氏による解説。アクセスは下記関連リンク(同館ホームページ)より。
第1回 明治初期の画家たち―再現描写の追求
日時:9月18日(土)10:30~
第2回 明治中期・後期の画家たち―自己の内面の表現―
日時:10月9日(土)10:30~
第3回 大正・昭和の画家たち―公と個の間、関係性の中の自己認識―
日時:10月30日(土)10:30~
【関連リンク】中村屋サロン美術館