2020年の結成以来、”大作”にこだわり、京都と東京で展覧会を行なってきた気鋭日本画家による「NIHONGA○-en-(ニホンガエン)」。
メンバーのおよそ半数が、日本画家・中島千波、中野嘉之、畠中光享3名が立ち上げた大作公募展「Artist Group-風-」(2012~21年)入賞者。無論その影響も大きいが、「NIHONGA○-en-」は互いに声を掛け合い、さまざまな”縁”をもって一所に集まった。
各々精力的な創作・発表を重ね邁進する中で、グループ名の「NIHONGA」には、日本絵画の伝統を引き継ぎつつ現代を反映した作品を世界へ発信したい、という思いが込められている。
何故、大作か。
それは、構成力や技術力、熱量を要し、作家の世界観を存分に引き出すと考えるからだ。
大作制作にはリスクも伴う。時間や労力、金銭的な負担は大きく、スペースの問題や売れにくい点も看過できない。それでも大作に、自分自身に挑み続ける画家たちが、同じ志と熱量をもって本展に臨む。
昨年信濃町の佐藤美術館で開催した初の東京展を経て迎える第4回展には、関東・関西・沖縄などの地域からメンバーが集い、それぞれ約10メートル程のスペースで自らの枠を超えた大作に挑む。
「NIHONGA〇-en-」単独で行う展覧会としては過去最大の空間に、当初は不安もあったというが、最終的には各自の意欲作で会場いっぱいを埋め尽くす見応え抜群の展観に。
また、前回展より広く協賛を募り、「絵を描くことで、何を成していけるのか」、社会との関りをもつことにも向かい合う。
出品作家は、秋山淳、有冨禎子、金木正子、木下めいこ、後藤吉晃、佐々木真士、平良優季、武井地子、田住真之介、手塚葉子、中野浩樹、滑川道広、水野悠衣、矢吹沙織、山本陽光、横山芙實、若林静香、渡邉葉子の18名に、招待作家として川村愛、黒岩知里を迎えた計20名。
メンバーの一人である矢吹沙織は、「調和しながらも混ざらず、濁らずに、各自のカラーを出していける、そんな展示空間を目指しています。一人ひとりが過去を超え、今までにない自分と出逢えるよう挑戦した姿、そして、大作ならではのスケール感を見ていただければ」と話す。
表現技法や活動方法、日本画に対する解釈……その違いを互いに認め、高め合ってきた俊英たちが生む、波紋のように広がりゆく新たな”エン”を、是非とも会場で体感してほしい。
初日14時からのアーティストトークには、出品作家ほぼ全員が参加予定。欠席者分もコメントを用意する。あわせて楽しみたい。
【展覧会】第4回 NIHONGA〇-en-
【会期】2024年8月20日(火)~25日(日)
【会場】京都市京セラ美術館2F(京都市左京区岡崎円勝寺町124)
【TEL】 075-771-4334
【料金】無料
【時間】10:00~18:00(入場は閉館30分前まで)
【関連リンク】NIHONGA○-en- HP X Facebook
【関連イベント】
◇アーティストトーク
日時/8月20日(火) 14:00~
◇第4回 NIHONGA〇-en- 小品展
日時/10月11日(火)~20日(金)
会場/画廊大千(大阪市中央区平野町2-4-11KCI平野町ビル1F)