中島千波・中野嘉之・畠中光享+ 新人〈7人の侍〉発掘!
壁面7×2.4mの大作10点 ガチンコ競演いよいよ開催へ
応募資格「満45歳以下」、作品規定「横7m×縦2・4mを限度とする平面作品」、「入選のみ賞無し」等の新宣言を掲げ、中島千波・中野嘉之・畠中光享3氏が新たに立ち上げた「Artist Group ―風―」の第1回公募展。募集期間は短期間ながら日本画・油彩・版画など各分野から応募作品38点が寄せられた。去る9月29日、一次・二次の厳正審査を終え7点の入選作品が決定した。会員3人と合わせ大作10点のみ、10月20日から東京都美術館で開催される。
「ArtistGroup ―風―」は、約1年前、中島千波・中野嘉之・畠中光享の3氏によって才能ある素晴らしい若手作家を発掘し、発表する場を提供し、共に競い合い発展していく目的をもって立ち上げられた。
同展運営事務局(東京・港区白金台)によると、作品応募は締切までに北は北海道から南は九州熊本まで全国各地域から38点あった。9月16日、写真による第一次審査で25点(その後、ひとりの辞退が出た)に絞られ、その24点について2次の実作品審査が行われた。
審査員は発起人の3氏、対象作品の氏名等データは全て伏せての討論形式だ。全作品が目を通されたが、一発入選はなく、数点が脱落。残った作品について再審査し、また数点が振るいにかけられた。3度目の審査でさらに絞り込まれ、最終的に4回目の討議で7点の入選作品が決まった。
横幅7m近い作品ばかりなのでその都度の作品の並べ替えはかなりの重労働だ。何人ものボランティア・スタッフが参加、その作業を手伝い、スムーズに事が運ぶ。午前10時に開始された審査は延べ4時間、4次にわたる審査となった。
入選者の年齢層は20~40代、応募・入選の男女の構成はほぼ同じだった。発表された7点の入選者・入選作品は以下の通り。(氏名、画題、技法の順)
1. 肥沼守「浮遊譚~出現~」(フレスコ画、ストラッポ)
2.清水圭「サンゴの森 シダの海」(キャンバス、ペン、岩絵具)
3.押元一敏「我々は此処にいる」(紙本彩色)
4.清水航「春の響き」(日本画)
5.小谷里奈「meditation」(紙本彩色)
6.酒井祐二「Bedsheet #20」(画仙紙、墨液)
7.木下めいこ「時分花」(日本画、杉板)
=以上、順不同
第1回公募“風”展について、審査にあたった3人は「短い期間のなかで全員が大きな作品を仕上げ、出品してくれたという点では全員が努力賞。入・落の分かれ目は難しい。入った作品が良だという訳でもありません。入選しなかった方もきていただいてトークしてもいいと思います。一旦、壁面に作品を並べれば、それをどう皆さんがみて判断、評価するかでは同じ立場です。評論家が推薦するのではなく、公募という条件で応募した作品を作家の目でしか見えない部分もあります、それが本展の意義。公平な立場で全員が競いあう美術館という展示の場は貴重だし、続けていかなければならないと思う。記録としての図録(一部千円で販売予定)も作成し、残しておきたい。是非、多くの方々にご覧いただき、ご批評を仰ぎたい」と語った。
なお、今回の“風”展出品者による別個の企画展が髙島屋系列で予定されている。各作家が30号1点、10号以下2点の新作を揮毫、出展するという内容。髙島屋日本橋店美術画廊(12月19日~25日)を皮切りに、髙島屋京都店6階美術画廊(2013年1月30日~2月5日)、髙島屋大阪店6階美術画廊(同2月13日~19日)3店を巡回予定。
「ArtistGroup ―風―」展
【会期】 2o12年10月20日(土)~28日(日)
【会場】 東京都美術館地下3階ギャラリーB(東京都台東区上野公園8-36)
☎03-3823-6921 【休室】 会期中無休 【料金】 無料
<出品作家によるギャラリートーク> ※事前申込不要・参加無料
10月20日(土)・21日(日)・27日(土) 14:00~、
10月28日(日) 11:00~
【問合せ】 運営事務局 〒108-007 東京都港区白金台3-16-17 ☎03-6320-7021
【関連リンク】 Artist Group―風―
「新美術新聞」2012年10月11日号(第1293号)3面より