ふるさとは、遠くにありて想うもの。
富士山も遠く眺めて、より美しい。
女神を祉るせいか、裾野を長く引くせいか。
富士山は美しさの上に、優しさがのる。
絵描きは先ず足許からと、富士五湖をはじめ周りをいろいろ巡ってみた。
憧れは日々つのり、朝夕富士を拝める所に住むことこそ、日本人にとって最高の幸せではなかろうかと、真剣についの棲家を考えたこともあった。
結果、富士山は遠くにありて想うもの。
昨年、世界遺産が決まり、日本に生まれた誇りさえ感じている。
四曲屏風としての作品は、現在、日蓮宗妙善寺に収蔵され、秀苑の未来を見守ってくれている。