日本画

     
   

   

第27回日本水墨院展(国立新美術館)「季冬」

ふと雪のまにまに目をやると、寒風の中、天に枝を差し伸べ、青々とした葉を繁らせながら、すっくと立ち続ける松の姿があり、これに感動した。緑の葉に雪を乗せ、寒い日本の冬に耐える凛とした雄姿は珍重され、古くから絵のモチーフになってきた。”松竹梅”という言葉もある通り、めでたさの象徴でもある。耐えるや忍ぶは、日本の厳しい冬を乗り切る心の有様でもある。冬を耐えれば、やがて光輝く春が来る。
 
 
 

不二元馨了

FUJIMOTO KEIRYO

日本南画院同人、日本水墨院副理事長
 
 
 

1942年岩手県生まれ、宮城県に転居。
大平華泉に師事。66年日本南画院展に初入選、以後、佳作賞、秀作賞3、特賞2、会長賞、日本南画院賞と受賞を重ね、83年日本南画院理事となる。また、85年日本水墨院創立に参加、87年に副理事長。
98年同展文部大臣賞、2004年同展内閣総理大臣賞を受賞。

 
     

一覧へ戻る