洋画

     
   

福岡県添田町の油木ダムの柳の古木です。<br />
柳から対岸までの空間があまりにも美しく、厳しいと思えるほどでした。しばらく瞳を閉じて、静かに開けると、描いてほしいと言われているようで、自然に手が動いていきました。<br />
夏の湖水にこれほどの魅力を感じるのは、これまでの人生が映されているような気がしたからかも知れません。


絵の中に人の心を魅了して離さない吸引力を表現することができたらと、密かに思ってきましたが、難しいものです。<br />
「蝉時雨」は、福岡県添田町の油木ダムにある桜の古木です。ダムが作られて40年余り、周囲には樹木や草が生茂り、昔からある湖水のようになっています。<br />
7月から3ケ月ほど描きに行きましたが、その間に桜の木の周辺から、私の立っている場所まで背丈より高く草が伸びてしまい、行くたびに鎌で刈らなければなりませんでした。暑い日差しの時もずっと蝉が鳴いていて、応援してくれているようで心に沁みました。

   

 
 

犀川愛子

SAIGAWA AIKO

日展会員、白日会会員
 
1944年
1969年
1975年
1984年
1984年
1985年
2002年
2007年
2010年
2013年
2014年

福岡県生まれ
武蔵野美術短期大学卒業
白日会会員となる
第16回日展初入選(86以降毎年入選)
第9回日本風景美展グランプリ受賞
第60回記念白日展T賞受賞
第78回白日展内閣総理大臣賞受賞
第39回日展特選
第42回日展特選
第45回日展新審査員
日展会員となる

 
     

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