洋画

     
   

群炎展も今年、第52回を迎えた。私はその創設以来、一貫して裸婦を出品し続けているが、或る時はブロンズ彫刻のように鋭角の表現をしたり、或る時はシュールっぽかったり、勿論、自然描写風のときもある。で、その表現は多岐に亘っている。<br />
この「長い髪の女」は、単なる自然描写ではない。長い髪の直線とバストの曲線に当たる光が、裸身を単純明快に分割してくれて、一瞬抽象形態のように見えて、それでいて、かえって艶かしかった。あえて、綺麗な顔の表情は描かなかった。


群炎の第1回公募展(上野の森)の際、彫刻の様なブロンズ色のトルソーに暗赤色のバックの作品が好評で、それ以来50回展の今日迄一貫して裸婦を出品。<br />
しかしその表現は多様で、どれが自分らしいのかわからない。藤田嗣治の象牙の様な肌に針で引いた様な描線も好きだし、小出楢重のボリュームの表現もいい。<br />
兎に角、裸婦程素敵なものはない。

   

 
 

斉藤亥之助

SAITO INOSUKE

群炎美術協会会長(創立会員)、足立美術協会会長、足立区展実行委員長
 
1923年
 
1963年
1965年
1966年
1969年
1976年
1981年
2005年
2011年
2012年
東京生まれ
宮本三郎に師事
二紀展出品を経て、群炎美術協会の創立に参加、運営委員となる
初の渡欧
渡欧作品展を開催
第1回群炎展で群炎賞受賞
個展を東武百貨店美術サロンで開催(82年まで連続開催)
環境庁長官賞を受賞
第43回群炎展で武久賞受賞
米寿個展をシアター1010ギャラリーで開催、60年間の作品を展示
群炎展創立50周年記念賞受賞
 
2016年7月 逝去

 
     

一覧へ戻る