洋画

     
   

2012年の十果会からふたたび「捨てた村」シリーズの廃村風景にとりかかっている。美術評論家の宝木範義先生の「或るモチーフを永い間暖めておいてそれがやがて心にとまらないものやよけいなものを捨ててすっきりしたときに制作に入った作品はいい作品が生まれるのではないでしょうか」。……という意味の言葉がいつも私の心に残っていたからである。<br />
今、あらためて、「捨てた村」の作品に向き合って見て廃村の荒涼とした風景は心をゆすぶるものがある。


高校時代は美術部で競い合って裸電球の下で夢中で絵を描いたものでした。その頃私が絵筆一本で身を立てたいと母に言ったとき、母は大反対でした。私が画家になって路頭にでも迷うことを心配したのでしょう。しかし今も思い出すのです。あの青春の強烈な矢のように過ぎて行った一時が私の心の支えであると。

   

 
 

桜井 寛

SAKURAI KAN

独立美術協会会員
 
1931年
1955年
1963年
1967年
1971年
1979年
1983年
1984年
1992年
1993年

長野県南佐久郡生まれ
東京教育大学(現筑波大学)芸術学科卒業
独立美術協会展独立賞を受賞(66年同)
独立美術協会会員になる
安井賞展に出品(〜74年、80年同)
明日への具象展出品(82年同)
風の会結成(〜85年)
国際形象展に出品(〜86年)
武蔵野美術大学教授になる(〜2001年)
日本秀作美術展出品(94年・2001年・02年同)
 
池田20世紀美術館、青梅市美術館、髙島屋、佐久市立近代美術館などで個展開催

 
     

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